〇わが家のちょっとした騒動
昨日も暑い一日で、午前11時の気温が30度を越え、午後は猛暑日になる勢いでした。こんな日は夜温も30度を下がらず熱帯夜になるようで寝苦しい日々を過ごしています。私は冷房が嫌いなためこれほど暑いのにまだこの夏は一度もクーラーを使っていないのです。息子家族は流石に現代人で、同じ条件の屋根の下に住みながら、暑いといって冷房を使っているようです。
前日の夜に調理して冷蔵庫に保管していた鱧を親類縁者に配るため、昨日は朝早くから発泡スチロールの箱にアイスノンをたっぷり入れて出かけました。自宅へ帰って冷蔵庫に冷やしている麦茶で喉を潤していると、親父が玄関先で「進一、進一!!」と大声で連呼するのです。外に出てみると親父が杖もつかず下着姿で立っていました。「身体の調子が悪いので病院へ連れて行ってくれ!!」と言うのです。
聞けばベッドから畳の上に降りた際、けつまづいて転げたようで少しパニックになっていました。隠居に連れ戻し「ベッドに寝かせ病院へ行くのも暑いから、下灘診療所の先生に往診に来てもらおう」と納得させ、本宅に戻った私は診療所に電話をしました。早速30分後下灘診療所の先生は看護師さんを伴って往診に駆けつけてくれました。体温にも以上がなく簡易採血検査や内診の結果、暑さのせいか少し体力が落ちているので点滴をすることになりました。親父も私と同じく冷房が嫌いで、そこここの窓を全て網戸にして過ごしていますが、扇風機を用意して換気をしました。
点滴が始まると親父は落ち着きを取り戻し、約一時間半程度かかる点滴をベッドに横になって注入しました。先生と看護師さんは帰り際、メモ書きした用紙を私に渡して説明し、点滴の針抜いたり抜いた跡に止血テープを張るよう言い残し帰って行きました。
妻から指示のあったヒエピタを額に張ってやり、1時間半ばかりを親父の枕元で過ごし、耳の遠い親父に少し大きな声で話したりしましたが、点滴をしたままトイレに連れて行ったりした結果、点滴も終わり昼寝をさせました。
午後4時頃妻が仕事から帰り隠居へ行くと、親父は何を思ったのか部屋中の窓を閉めていたようでした。その後助産師をしている娘が孫二人を連れて帰省したので、親父の様子を見に隠居へ行ってくれ、点滴のおかげで少し腰回復したようだと言ってくれました。何はともあれ家族を巻き込んだ親父のハプニング騒動に昨日は少しざわめいたものの、大事に至らずホッとしています。親の介護の大変さを少し垣間見た一日でしたが、今朝は元気を取り戻して、妻が午前6時スイッチオンにセットした電気炊飯器のご飯が炊けないと、朝5時に私の書斎へやって来ました。早速隠居へ行き説明をして納得させました。今日も暑いぞ!!、親父頑張れです。
「ふらついて こけたと親父 玄関で 私の名前 連呼しながら」
「点滴で 元に戻った 親父見て 医師の凄さに 感心しきり」
「介護とは こういうものか 納得し 一から学ぶ 孝行息子」
「点滴の 針をこわごわ 抜いた後 止血テープで 一件落着」