○二つの提案
昨日自民党のある国会議員と電話で話す機会がありました。私は自民党でも民主党でもなくどちらかというと無党派層なのでしょうが、長く役場に勤めていて陳情などをやった経験から、自民党議員の中には顔見知りの先生方もかなりいるのです。国会議員を先生と呼ぶのはいささか可笑しいと思っていますが、先生と呼ぶと喜ぶ人たちなので、時には先生と呼んでいるのです。余談ながら先生と呼ぶのは学校の先生かお医者さんくらいにとどめた方がいいものを、私などにさえ講演などに出かけると先生と呼ばれるのですから世も末です。
今は野党となってすっかり色あせた感じがする自民党の国会議員に、電話のついでに一つの提案をしました。
「先生、東北が地震で大変ですね。もしこの機をとらえて自民党が出来ることは何ですかねえ」と尋ねると、「高速道路無料化や子ども手当てのために予定している予算を、震災復興の補正予算に回すべきだ」と、相変わらず「べきだ論」をまるで念仏のように唱えていました。
「私の提案ですが」と前置きし、「もし自民党が本当に政権をとりたいのなら、一人ひとりの国会議員が自分の選挙区で震災復興のためのボランティアを100人募り、自分の歳費を使って10日間現地に派遣する震災復興ボランティア十字軍みたいなものをやったら如何ですか」と話しました。先生議員さんは「それは面白い提案だ。早速考えてみたい」と言いましたが、手を汚すことも身銭を切ることもしない人たちですから、多分やらないと思うのです。
昨日東京からキャリア異動で愛媛に赴任している人からメールが届きました。私の友人でファーマーの牧さんたちが、震災復興のお役に立ちたいと立ち上がって準備を進めている話を聞きました。田舎には農地と広い家という衣食住が整った地域が多いので、震災に遭った人たちを可能な限り受け入れたらという提案です。私は農家ならではの凄い提案だと思いました。震災復興に出かけることも一つの提案ですが、震災に遭った人たちを田舎に疎開させる提案は具体的な提案として直ぐにでも取り掛かれるのです。50万人の被災者の衣食住を賄うことは容易なことではありません。ゆえに農林水産省などが特例措置として早急に取り組んで欲しいと願っています。仮設住宅の準備もまだまだこれからです。冬がぶり返したような粉雪舞う余震の続く現地のことを思うと、心がうずくのです。
私にできる復興支援は暮らしの中の無駄を省くことや、被災者への温かい思いを持つことから始まります。胸にバッジをつけた先生への私の提案はボツになることでしょうが、牧さんたちの提案はもう動き出しているようです。世の中には思わない人、思ってもやらない人、思ったらやる人に大別されます。人間をゴミに例えると、不燃人、可燃人 自燃人、類燃人に分けられます。今回の震災を教訓に不燃人は可燃人に、可燃人は自燃人に、自燃人は類燃人にワンランクアップして欲しいものです。戦争から見事に復興した日本の近代史に習い、一日も早い復興を願っています。
「胸バッジ つけてる人は 手を汚す 事もなき世を 温々生きる」
「あるべきだ 言いつつ評定 するばかり これで世の中 良くはならない」
「過疎地ゆえ 疎開の人に来てもらい 一石二鳥 村に活気を」
「東京じゃ 霞ヶ関に 霞立つ バチが当たると 言う人知事に」