shin-1さんの日記

○春の佐田岬半島・その①(町見郷土館を訪ねる)

 佐田岬半島に残るトッポ話に面白い話が残っています。ある旅先で駿河の国の住人が「おらが国にある富士山は日本一高くて美しい」と盛んに自慢していました。伊予の国の住人はそのことがいぶかしく、「俺の国には富士山より高い山がある」と自慢し始めました。「ほう、その山の名前は何という山じゃあ」と切り返されると伊予の国の住人は「佐田岬山」と涼しげに言うのです。「この山は日本一細長く高さが13里もあるので、風で倒れたり折れたりしたら大変と日ごろは寝かせている」と腕をまくりました。

 トッポ話はこのように、これといって楽しみのなかった昔の人たちが、せめてホラでも吹いて楽しく暮らそうと編み出された落語のような笑い話なのです。

 昨日は一週間前、三崎中学校へ講演に行ったのに続いて、今度は西宇和郡保育研修会に招かれ三崎中学校の目と鼻の先にある三崎町民会館へ出かけました。昨日は天気もよいし折角だからと少し早立ちをしてあっちこっちへ立ち寄ろうと思い出かけました。

 最初に立ち寄ったのは亀ヶ池温泉近くの町見郷土館を訪ねました。学芸員の高島さんがいる所で、彼とは何度か出会っていますが、まだ一度も訪ねていませんでした。亀ヶ池という大きな池も久しぶりに横を通りましたが、宇和海とともに春の日差しを浴びてキラキラと輝いていました。

shin-1さんの日記

(亀ヶ池のウッドデッキ)
shin-1さんの日記

(春の光に輝く宇和海)
shin-1さんの日記
(町見郷土館)

 高島学芸員は3月3日から始まった企画展「大きなアコウ樹も下で」のために運よく玄関で出会い、中を案内してくれました。佐田岬には北限といわれるアコウ樹が何本かあって、三崎のアコウ樹は国の天然記念物に指定されて今年で90年を迎えるのだそうです。

 内緒の話なのですが私の町にも実はアコウ樹がありました。閏住のくじらというお店の近くにありましたが、残念ながら海岸国道の改良工事で伐採され跡形もなく消えてしまいました。返す返すも残念です。

 この企画展は5月8日まで、スライド講演会は3月23日と4月27日に町見郷土館であるので、興味のある方は覗いてみてください。

shin-1さんの日記
shin-1さんの日記

  「その昔 トッポ話に 花が咲く 酒の勢い 負けし劣らず」

  「奇遇なり アコウ樹企画 展示見る 半島自慢の 宝に出会う」

  「郷土館 こんな田舎に 学芸員 嬉しくなりて 案内頼む」

  「半島に 眠るお宝 数知れず ワクワクしつつ 順番巡る」

[ この記事をシェアする ]

shin-1さんの日記

○人間牧場は梅の花が満開

 春が来たと思いきや、このところ冬の寒さに逆戻りして毎日寒い日が続いています。裏山の向こうに住む友人亀本幸三さんから届いたメールには雪化粧したふるさとの写真が添えられて、春の足音を聞きつつもう少し我慢の日々が続く予感がしています。

 亀本幸三さんの住む大洲市田処と人間牧場は山ひとつで隣同士なのですが、滅多に雪の積もらないこの地でさえ、一昨日の朝は背後の山が白く雪化粧し、人間牧場のウッドデッキにさえ薄っすらと雪が積もりました。海沿いに面しているため直ぐに解けてしまいましたが、いやはや寒い一日でした。

shin-1さんの日記

(人間牧場から見える背後の山も真っ白でした)

shin-1さんの日記
(水平線の家のウッドデッキも霙交じりの雪が薄っすら積もりました)

 そんな寒さの中でも人間牧場の梅園の梅の花は満開で、今が見ごろと芳しい匂いを発しています。梅の花は桜のようなあでやかさはありませんが、寒さの中で凛として咲く姿は、花の少ないこの時期だけに趣があって、花に鼻を近づけると、何ともいえない安らぎを与えてくれるのです。

 梅林は静寂に包まれていますが、よく目を凝らして見るとメジロや鶯が沢山集まって、忙しげに枝から枝、鼻から花へと飛び交いながら花の蜜を吸っていました。梅の白い花とメジロや鴬のウグイス色は何とも心を和ませ、春を堪能させてくれました。

shin-1さんの日記

(満開になった人間牧場梅林の梅の花)
shin-1さんの日記
(メジロや鴬が沢山蜜を吸いに来ていました)

 今年も年明けから最近まで、スケジュールが込み合って、念願だった梅の木の選定の時期を逸してしまいました。「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」といわれて久しい人間牧場の梅林ですが、持ち主に似ず幸せなことに働き者で、毎年梅の実を裏年・表年関係なく沢山実らせてくれていますが、春を向かえる度にいつしっぺ返しがくるか心配をしています。鼻のつき具合から考えると今年もよほどのことがない限り、人間牧場で使うほどの梅酒や梅干は確保できるだろうと、淡い期待を持っているのです。梅の木の下の蕗もそろそろ芽吹きの頃を迎えているようで、春はそこまで来ています。

  「山は雪 畑は梅の 花が咲く メジロ数匹 春が来たよと」

  「梅の花 鼻を近づけ 匂い嗅ぐ 何ともいえぬ 季節の巡り」

  「忙しい 日々の合間を ふと我に 帰らせくれる 梅の花たち」

  「今年また 剪定の時期 逸したる いつになったら 思いつくのか」

[ この記事をシェアする ]