○動物のいたずら
昨日の朝親父が私の書斎の窓から顔を出し、「2~3日前に家庭菜園に植えたジャガイモを何か分からぬ動物が掘り起こしているので見て欲しい」というのです。畑に出てみるとジャガイモを植えた上に目安として置いていた籾殻が無残にもそこら辺に飛び散っていました。最近親父は畑と道の境へ近所の金物屋さんからブロックを買い求めて仕切り石として埋め込むため、魚網で作っていた柵を撤去していたのです。今後温かくなって農作物が大きくなるとハクビシンやイノシシに襲われる危険性もあるので、金網で防護柵を作りたいというのです。
早速親父を軽四トラックに乗せ、伊予市内のダイキホームセンターへ出かけました。親父はもう歳ですから車に乗るのも気合を入れないと乗れませんし、車から降りる時は気をつけないとひょろ付くのです。それでも車に乗るといわれなくてもちゃんとシートベルトをする気丈さもあって、中々のものなのです。
ホームセンターの売り場で金網を置いている場所を見つけ、店員さんに計ってきたであろう10メートルを告げてハサミで切り売りしてもらいましたが、ついでに農薬のスミチオン大瓶を2本牛糞10袋を買い求め帰りました。
前もって用意していた鉄筋をブロックの横にハンマーで打ち込み、私は所用があって金網の設置は親父に任せて家を出ました。やがて外出先から帰ると親父は早くも金網の設置を終えていて、立派な金網柵が出来ていました。いつも思うのですが、この歳になってもなお次々と新しいことを考えて行動し、またそれがいちいち理に叶っている親父は立派だと、改めて感心した次第です。
こんな起用直y時の息子に生まれたのだから、さぞかし息子である私も器用さを受け継いで良さそうなものなのに、私は不器用で鍬を使えば傷めるし、やることなすこと後回りだと親父にいつも叱られてばかりいるのです。
自分で自分の不器用さをいつも嘆いていますが、妻だけは私の器用さの片鱗を認めてくれているのです。正月も終わり正月の片鱗は神様棚に供えた私手づくりのお飾りがでんと座っているのですが、このお飾りは妻が時々褒めてくれるのです。最近は魚の下ごしらえも随分上達したと褒め殺しされ、お陰で昨日は親類の漁師さんから貰った小魚の処理を任される羽目になり、妻の術中に入ったと苦笑いしながら作業をしました。
畑に侵入した動物は私たち人間様をあざ笑うように器用です。私も少し腕を磨き、親父ほどではなくっても、せめて畑に出没する小動物よりは器用に振舞いたいと思っています。
「玄人の 様な親父の 腕前に いつも感心 しつつ今日まで」
「この歳に なってあれこれ やることが あるから元気 親父は凄い」
「金網の 柵を親子で 作ってる 姿どこかで 動物見えてる」
「親起用 息子不器用 世の習い だから世の中 上手くいってる」