shin-1さんの日記

○吉田町学校支援理解促進研修会

 1月14日と15日の両日、島根県雲南市吉田町で開かれた学校支援の在り方を考える研修会に招かれ出かけました。一日目は田井公民館で19時からの夜の集会でした。この公民館は思い出の深い公民館で、10年前講演に招かれ講演中に瀬戸内海側で芸予地震が起き、講演を一時中断したのです。その後テレビのニュースで地震のことを知り、現職の課長でもあったので役場に連絡を取ろうと試みましたが、残念ながら役場にも家にも電話が通じず、急いで帰宅の途に着いたのでした。

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 参加した人の顔をいちいちは覚えていませんが、10年の時の流れはこの山村にも過疎化、高齢化、少子化という厳しい波が押し寄せ、私がこの日事前に訪ねた吉田小学校民谷分校は来年一年で長い歴史に幕を閉じ、廃校になるのだと聞きました。児童の数5人の雪に埋もれた小さな学校は、弱小学校ながら壁のいたるところにこの一年間地域とともに歩んできた足跡が張り出され、どんな立派な大規模校にも負けず、とても輝いて見えました。これも地域ぐるみの学校支援あればこその成果なのです。

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(5人の子どもの健康観察表)
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(壁に張り出されている児童数の推移)
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(分校の一年間)

 その夜は近くの奥出雲湯村温泉にある古民家再生旅館に泊めていただきました。窓から見える川沿いの集落の風景も、部屋の優しい灯りも、また大衆浴場のような源泉かけ流しの湯殿も冬の山陰路の隠れ家的風情があり、満足のいくものでした。

 夜時折「ドサッ」という大きな物音がして、一瞬「何事か」と目が覚めました。どうやら30センチを超える屋根に積もった雪が、折から降り出したみぞれ交じりの雨で落ちたようでした。それからは目がさえて結局眠れないため、旅のお供に持参した一冊の本を読みながら夜明けを待ちました。

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(宿舎オーペルジュ雲南の窓越しに見える雪の風景)
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(講演会場吉田健康福祉センターの窓越しに見えた桜の木は雪の花でした)

 二日目は吉田の中心部に会場を移し午前9時からの開会でした。会場に着くと15年前に島根県美保関で出会った横木さんに出会いました。また知り合いの川上社教主事さんとも嬉しい出会いとなりました。この日は私の都合と折からの寒波の影響で雪が降り積もると道がふさがれることが危惧されるため、わがままを言って10分間ばかり早く切り上げさせてもらいました。

 昨日午後通った峠道には既に20センチもの新雪が積もっていましたが、どうにか国道へ出て予定通り松島さんの車で辿り着き、私の車に乗り替わってしまなみ海道を渡って四国へと帰りました。


  「携帯で 『着いたぞ雪だ』 報告す 妻はいいねと 雪に憧れ」

  「夜突如 ドサッと音で 目が覚める 屋根から落ちた 雪かも知れぬ」

  「再来年 この学校も 廃校と 聞いて無念の 心が痛む」

  「十年は 長いようでも 短くて 世の中変わり 私も変わる」


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○薪ストーブを囲んで大学生との研修

 えひめ地域政策研究センターへ一昨年まで3年間出向していた松本さんが、双海地域事務所に帰って来たため、わが町へやって来る人がかなり多くなってきました。3年間に培った県内外の人脈ネットワークと、自らのスキルアップによって人との出会いの重要性が増したからであり、そのおこぼれを頂戴する私にとっても嬉しいことだと喜んでいます。中でも研修にやって来たり、双海町をテーマに卒論を書くためやって来る学生たちとの出会いは、私が大学の非常勤講師や客員教授を務めていることもあって、願ってもないチャンスなのです。

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 3日前農学部三回生で隣町中山町出身の武智さんが研修のため、受け入れ主である松本さんに連れられて人間牧場へやって来ました。瀬戸内とはいいながら真冬の寒風がもろに吹き付ける人間牧場・水平線の家へは、私も今年に入ってまだ一度も訪れてなく気になっいたので、これ幸いとばかりに事務所で待ち合わせして一緒の車で出かけました。

 急いで薪ストーブに火を入れ、赤々と燃えるストーブを囲みながら3人で色々な雑談をしました。大学生たちにとってはこの不況の中で就職先を見つけることは容易なことではありません。自分の夢と現実の落差を感じながらも、また実家が専業農家でゆくゆくは農業の後を継がなければならない宿命も吐露しながら、1時間半も話し込みました。

 武智さんの希望では、観光サービス産業のような所へ一度就職して、働きながら将来のことを外から眺めてみたいと思っているようです。農学部を出たからいきなり農業ができるほど農業はやわい仕事ではありません。ましてや将来どうなるかということも、農業を取り巻く環境が厳しいだけに不安です。

 武智さんは昨年私が4日間にわたって大学で、地域活性化論Ⅰと地域活性化論Ⅱの集中講義の際に受講した学生でもあるので、他人事とは思えぬ気持でした。ゆえにこれからの研究の一助にと私は「昇る夕日でまちづくり」と「夕日徒然草地の書・火の書・水の書」という4冊の自著本をプレゼントしてやりました。本来本は買うもので貰うものではないと思い、殆どの人には差し上げないのですが、大袈裟ながら将来への投資として差し上げました。

 年末から年始にかけて人の気配を感じなかった人間牧場には、水平線の家の外壁に穴をあける悪者のキツツキが住みつき、海に面した外壁を一生懸命くちばしで叩いて穴を開けていました。追い払っても再び悪びれる様子もなく相変わらずの悪態です。

 今年は冬の寒さが一段と厳しい故、また新春早々顔面にダイガラ餅つき機の杵が落下して小怪我したため大事をとって、例年だと新春早々行う予定の落ち葉を集めて苗床を作る作業も大幅に遅れています。遅くても来週にはやらないと発酵が間に合わないので、傷の具合も自然治癒力のお陰で随分良くなったようなので、心機一転心を入れ替えて頑張りたいと思っています。


  「牧場の 薪ストーブに 火を入れて たった三人 色々話す」

  「三冊の 自著本渡し 促しぬ 今しかできぬ 学び数々」

  「キツツキが 新たな穴を コツコツと 追い払えども 向こうの都合」

  「薄々と 夢と現実 段差見ゆ 厳しいだろうが がんばれ支援」

 

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