○中山町成人大学に招かれて
何年か前双海郵便局に勤めていて、中山郵便局長を最近退職した門田さんから早い年末に、「中山町の成人大学の学級長をしているのですが、新春早々の空いている日の夜講演に来て欲しい」と電話がありました。職場も住んでいる町も違いますが、顔なじみで心許せる知人からの頼みゆえ、快く1月13日の夜7時30分からの講演を引き受けました。
7時30分は遅いなあと思いつつ、明くる日の朝島根県雲南市へ旅立たなければならないことも気にしながら出かけました。時間を早めに設定する癖のある私は、午後6時35分に自宅を出たため7時には会場となる中山町の公民館に到着しましたが、几帳面な性格の門田さんは既に玄関先に立って出迎えてくれました。
公民館の事務所へ通され、顔見知りの方々と雑談を交わしながらお茶をいただき、開会時間が来るのを待ちました。5分前に2階の会場へ案内されましたが、顔見知りの方も多く冬の寒い夜にも関わらず沢山の人が集まっていました。門田さんとの打ち合わせで講演のテーマは「心豊かに生きる」にしていたので、準備もせず気負うことなくごく自然体で1時間20分ほどお話しさせてもらいました。参加者の殆どの人が私の話を何度か聞かれていていますが、はてさて皆さんの心にどのように響いたことでしょう。
それにしても集まった人たちはしっかりとした聞き耳を持った人たちばかりでした。演台で長年話していると、その日の客筋がよく分かるのです。反応の速さ、笑いのタイミング、全てがいい雰囲気でした。
門田さんから帰りに中山町特産の生なうどんと蕎麦、それにシイタケまで手土産にいただきました。久しぶりに退職した門田さんに出会いましたが、話によると最近は商工会長をしていた上岡さんたちと、史談会を設立して頑張っておられるようです。
人間には竹のように幾つもの節があり、松のように人生の年輪を重ねて行くものです。また梅のように花を咲かせたり散らせたりしながら日々生きるのです。田舎に住んでいるとややもすると将来への不安が先にたって押し潰されそうになりますが、「いい時代は来ない。いい時代にする」くらいな気概で、生まれた所で死ねる幸せをかみしめながら心豊かに生きて行きたいものです。
帰り道翠小学校周辺のイチゴハウスには、冬の長い冬を少しでも短くしてイチゴを目覚めさせようと電気が点けられていました。凍てつく暗闇に幻想的に見える電気の明かりに癒された気持ちになりました。
「友人に 誘われ夜の 講演会 懐かし顔が 集まり嬉し」
「暗闇に 幻想的な 明かり点く イチゴハウスに どこか癒され」
「お土産に 貰った蕎麦と うどん今日 旅立つゆえに 食えぬ残念」
「隣町 やはり懐かし 人揃い 思いのたけを スムーズ話す」