○奈津さんの帰省
昨日の昼過ぎ一本の電話がかかってきました。「奈津です」と電話の向こうで名乗る女性は堀川奈津さんでした。私の記憶の中で「なつ」と名乗る女性は2人います。一人は双海地域事務所に勤める夏芽さんで、教育長時代に一緒の職場で仕事をし、一緒に海外派遣でニュージーランドやオーストラリアへ旅をした女性です。
堀川奈津さんは町内満野浜出身で、高知大学在学中に知り合いインターンシップで入った奈半利町のまちづくりがらみで深いご縁をいただきました。卒論の時も、大学院へ進学する時も、就職する時も何かと相談話を聞いたものです。
今年の3月目出度く大学院を卒業して東京の農文協に就職したことは知っていましたが、その後音信が途絶えていました。聞けば年末年始の休みで帰省したというのです。久しぶりなのでこれからお会いしたいと言われました。15時35分いよ上灘駅着の列車で来ると言うのでトラックで迎えに行きました。出発間際になって松山へ行かねばならない火急の用事が出来て、暖房の効いた車の中で道すがら伊予市まで走りながら懐かしい話やその後の消息について話をしました。聞けば農文協で営業を担当して全国を旅しているようです。農文協の営業といえば、まるで越中富山の薬売りのように、単車で全国を行脚しながら諸世紀を売り歩く商売です。
以前と同じく細身ながら、すっかり逞しくなった奈津ちゃんの話は、いつもの事ながらとても楽しそうでした。旅先で仕入れた農業の実情は巾が広く、本を読んで知り得た知識は奥の深さを感じました。JR駅前の町家駐車場に車を止めて30分ばかり話をして分かれましたが、来月早々に北海道へ渡り、酷寒の網走や美幌付近で営業活動をするそうです。
私も一昨年2月22日に北海道美幌へ行きましたが、それは寒くて流氷の上に立ち自然の猛威に驚いたものでした。酷寒の北海道はさすがに単車でなくレンタカーだそうですが、大変な仕事のようでした。
早速美幌の知人を紹介してあげることや、一冊本を買うことを口約束して分かれました。昨晩は伊予市で家族と落ち合い夕食をするそうでしたが、束の間の団欒を楽しみにしていました。
帰ってからサンプルにいただいた季刊本を食事をしながら、またテレビを見ながら、さらには奈津さんのことを思い出しながら読みました。学校跡地の利用と宮本常一特集は興味のあるテーマなので、書斎にこもって夜遅くまで読みふけりました。ここにも逞しく生きている若い女性がいること思いついつい嬉しくなりました。
「奈津ですと 懐かしき声 電話にて 聞けば帰省で 同じ町内」
「列車から 降りてく女性 逞しく なりて堂々 夢を語りぬ」
「来月は 網走あたり うろちょろと 営業活動 するというけど・・・」
「季刊本 買うと約束 行きがかり 少し勉強 したいと思う」