○注連縄作り
家の中にお年寄りがいると、「やれ今日は縁起がよい日だ」とか「悪い日だ」とか難癖をつけて、様々な仕事の腰を折るのです。一昨日は大安でした。日がいいようなので親父は近所の農家から貰った藁をそぐって、正月の注連飾りを作る準備をしてくれました。ここまではよくできた親父なのですが、あと1週間と迫った正月までの日めぐりを見て、今朝早くから「今日は先勝だから日がいいので注連縄飾りを作ったらどうか」とやんやの注文です。私にも都合があって、作りかけている年賀状を今日中には終わらせないといけないと、予算を組んでいましたが、結局は親父の言いなりになって午前中注連縄作りをやりました。
(私が作った注連縄飾り)
親父の隠居の居間にゴザを敷き、ストーブを入れたその前で注連縄作りを行いました。今時はどの家庭でも注連縄はホームセンターなどで買ったものを使っているようで、わが家のように手づくりする家庭もめっきり減ったようです。「ホームセンターで買い求める注連縄飾りは縁起の良い日など選んで作らないのにと多少いぶかしく思いながらも、1時間ほどでおたまじゃくし10個、隠居玄関用1個、本宅玄関用1本、神棚用海老1個の計13個を作りました。
作っている途中、帰省した従兄弟がやって来て、色々な話をしながら作りました。彼は学校を卒業すると直ぐに名古屋の自動車メーカーに就職し、あと2年で定年だそうです。釣りが趣味で遠くは沖縄久米島方面まで出かけるマニアで、これまでに70キロのキハダマグロや150キロのカジキを釣ったようで、私の注連縄作りを懐かしそうに写真に収めながら、マグロやカジキを釣った自慢の写真をカメラに内蔵した写真を見せてくれました。
私の年末恒例の3つの仕事もこれで二つまで目鼻がつき、あとは注連縄飾り用のウラジロを裏山へ採りに行き飾り付けをすることと家のサッシ窓拭きだけとなりました。本当はウラジロ採りも窓拭き作業も今日辺りからやりたかったのですが、牛の峰周辺の山々に白い雪が積もったのが見えるほど寒波が押し寄せているので、今日はストーブを焚いて書斎の片付けでもしようかと思っています。
親父が言うように、「暑い夏には冬がいいと思い、冬は寒いので夏がいいと思う」のです。暑さや寒さは歳をとると苦手で身体に堪えるようなのですが、親子ともども何とかこの冬も元気で乗り切りたいものです。それにしても今年の冬は寒いです。わが家から一歩出て山を見ると真っ白に雪化粧していました。海も大荒れで、猟師さんは当分漁に出れないのではないかと思われます。
「縁起よい 吉日選び 注連飾り 私の代で これも終りか」
「売っている 注連縄飾り いつ作る 小理屈いって 父に反抗」
「教わりし 注連縄作り 息子には 伝わらずして 私で終り」
「俺作る 注連縄飾り いい腕と 自分を褒める 一の大馬鹿」