○迎える不安と過ぎた充実
5日前、私は岡山からの帰りの特急しおかぜの車内で、岡山の講演にはまったく関係のないのに持参した資料をカバンから持ち出し、約2時間余り思いをめぐらせながら勉強しました。というのも明くる日の月曜日朝8時半から、愛媛大学農学部の集中講義が始まるため、自宅に夜遅く帰って準備をする暇がないと思ったからなのです。
車内では授業の組み立て構想をペンで走り書きしながら、使う資料を考えました。1時間30分の授業を一日4コマ、4日間で16コマ考えなければならないのです。今年の3月で7年間続いた法文学部の年60時間の授業の経験を思い出し、どうにか組み立てを完了しましたが、多少不安が残りました。夜遅く自宅に帰ってから資料を引っ張り出して一応の準備を終えました。
4日間で16コマの授業をしました。
昨日の午後4時、持ち込んだ自分のパソコンで昼休みに組み立てた総括講義を1時間余り話し、学生から一人ひとり感想を言ってもらって長くも短い集中講義を終えました。日ごろ理論を話す先生たちの講義を聞きそめている学生にとって、体験から生み出た私の論理の講義への反応はすこぶる良好で、充実を感じました。迎えて長い不安から解き放たれ過ぎた充実は何とも爽やかで、多少の自信を覚えました。
今朝使った資料やパソコンを片付けながら、昨日までの緊張感や充実感が薄らいで行くのを感じました。顔を覚えている間にと始めた提出レポートの整理や、成績採点表の記入をしながら、再び余韻を思い出しています。
普通の講演だとレジメも見ないで2時間でも3時間でも話すのに、大学の授業の講義となると妙に緊張して、レジメを用意して構える自分に違和感を感じながらの4日間でした。
適当な緊張はするものだと、過ぎてしまえば思うものですが、この緊張が小さいながら自分をまた一つ成長させたり進化させたと思います。これから歳をとってくるとこんな緊張の場面も機会も少なくなってきますが、せめて向学心だけは常に持って肩肘を張らず少しだけの進化を目指したいと思っています。これまでも真似しない真似できないオンリーワンで筋を通してきたのですから、これからも意の向くままに・・・・。
「迎えた日 不安だらけの 朝でした 四日過ぎれば 充実してる」
「この歳に なると緊張 することが 減って余計に 緊張しきり」
「また少し 進化の兆し 見えてきて 少し上向き 少し進化も」
「学生の パワーを貰い 若返る これも役得 背筋を伸ばす」