○新居浜エクスカーション②
昨日は新居浜の武田信之さんたち石鎚みすヾコスモスが企画した「金子みすヾの宇宙」というイベントに年輪塾生15人ほどで参加しました。山口県長門仙崎出身の詩人金子みすヾは、「大漁」という詩で、「朝やけ小やけだ 大漁だ はまは祭りの ようだけど海のなかでは 何万の いわしのとむらい するだろう」と詩っています。
また代表作である「わたしと小鳥とすずと」では、「わたしが両手をひろげても、お空はちっともとべないが、 とべる小鳥はわたしのように、地面をはやくは走れない。 わたしがからだをゆすっても、きれいな音はでないけど あの鳴るすずはわたしのように、たくさんなうたは知らないよ すずと、小鳥と、それからわたし、みんなちがって、みんないい。」と詩っています。
わずか二十六歳で死んだ金子みすヾの詩にはどこか違った感性が見え隠れし、読む人を引き付けるのです。
昨日は愛媛県総合科学博物館多目的ホールに300人余りの人が集まりました。無名ながらわが年輪塾も後援の末尾に名を連ねているため、清水塾頭が中心になって年輪塾エクスカーションとして企画されました。現地では馴染みの直野さんと加藤さんが窓口になって近代化産業文化遺産といわれる別子銅山記念館やマイントピア別子を見学したあと、まんまる食堂で美味しい昼食を食べる前に、短い時間ながら尊徳塾を開講しました。
その後博物館に会場を移し、午後1時30分から第一部は宇宙物理学者の佐治春を先生の「記憶の中のボイジャーから『はやぶさ』『イカロス』まで」とう話を聞きました。佐治先生はピアノと映像を交えて宇宙へと誘っていただきました。
つなぎとして社会人落語家日本一になった精神科医枝廣篤昌先生の落語「はくしょんしてよかばくん」とらくさぶろさんの詩の朗読コラボ、第二部は童謡詩人矢崎節夫さんとらくさぶろうさんとの対談「みすヾさんのうれしいまなざし」を聞きました。
懇親会ではA・B席を年輪塾生が独占し、佐治先生や矢崎先生と身近にお話できる機会もありました。またテーブルスピーチでは高座が用意され、私もお粗末ながらショートコメントながら落語ならぬ落伍を披露し会場を笑わせました。「くれあ&香」の透き通る歌声も素敵でしたし、車の運転もあって殆どの塾生がウーロン茶で我慢しましたが、非常に密度の濃い内容に身も心も洗われた感じがしました。
毎日あくせく暮らす私たちにとって、ましてや地域づくりを志してともに学ぶ私たちにとって、ふと立ち止まって自分や周りを見つめることはとても大切なことなのです。私たちは今回のエクスカーションでまた新しい活力を得ることが出来ました。その時は感動してこだました言葉も、直ぐに忘れてしまうような年齢になりましたが、それでも心の基層にしっかりと残っており、いつか何かの拍子に思い出すに違いないのです。
さこの日の学びを生かしてもうひと踏ん張り、自分のため人のために頑張りましょう。
「大挙して 金子みすゞ 講演会 心洗われ よかったよかった」
「この人は 難し話 分かりよく 話す人だと 感心しきり」
「いや凄い 物理の学者 ピアノ弾く もしもピアノが 弾けたらなあ~と」
「指名され 俺はやっぱり 向こう見ず 高座に上がり サジ(佐治)を投げたり」