○花束のプレゼント
研修会などの記念講演に招かれると、決まったようにお偉い人が出てきて謝辞などを言われることがよくあります。そんな折は礼節なので立ったまま謝辞を聞くのですが、歯の浮くような美辞麗句を並べられると、穴があったら入りたいような心境になるものです。ところが最近二つの集会で謝意に変え、花束をいただく機会を得ました。花束なんて似合わない風貌の私ですが、それでも若いと思しき女性から花束をいただくと悪い気はせず、思わず握手までしたいという衝動に駆られるのです。
先日高知県芸西村のイキイキ会に招かれた時は、施設園芸のメッカであるため村内で栽培しているというトルコキキョウや珍しいダリアをふんだんにおり交ぜた、ずっしり重い花束を壇上でいただき、舞い上がってしまいました。今までにも花束をいただいたことは何度かありますが、地産地消の花束は初めてで、2時間半の道程を帰る間にしおれては大変と車内の暖房を切って帰って来ました。妻は鼻が大好きなので何よりも嬉しいお土産に大喜びで、早速大きなつぼを二つも用意して玄関に投げ込み流の活花を生けてくれました。
昨日は八幡浜と合併した旧保内町のゆめみかんという立派な文化会館のサブホールで、青少年健全育成推進南予大会が行われ、記念講演を頼まれて出かけました。折角の機会だからと少し早めに出て、保内町宮内の公民館に立ち寄りました。主事をしている金谷さんとは、彼が農協に勤めている時代から深いご縁があって、先日の大洲でも発表をしてもらいましたが、あいにく出番が違ってすれ違い立ったので、お礼方々味噌を持参したのです。お礼に美味しいみかんを沢山いただき、職員や居合わせた馴染みの市会議員さんと懇談しました。
この日の講演は開会行事と表彰、それに講演だけなのでたっぷり2時間も撮っていただいたので、久しぶりにゆっくり話すことが出来ました。やがて講演が終わり質問を終えてステージから降りようとすると、司会の方から呼び止められ、花束をいただいたのです。若い女性の差し出す花束に芸西村と同じように気恥ずかしいも伊がしました。自宅に帰り妻はまだ蹴れぬ芸西村の花束に加えて活けてくれましたが、まあ我が家の玄関は花に囲まれた思わずうっとりしてしまいそうなのです。
花は人の心を和ませてくれます。10月の3日の私の誕生日を忘れずこの10年間花束を贈ってくれ続けている緒方二三子さんや西岡真由美さんからいただいた花かごといい、もう花束とは縁がないであろうこの歳で、花束をもらう喜びは格別なのです。今日花束をいただいた陰には八幡浜市青少年センター所長三好佐十先生の気配りがあったものと思われ、あらためて花束の意味を噛みしめているところです。
「花束を もらう歳でも あるまいに 相次ぎもらい 照れてしまって」
「わが玄関 ただ今花で 埋まってる 幸せですと 妻も喜ぶ」
「花束の 花は洋花 裏庭に 咲きし花々 和花一味」
「この花に 負けず一花 咲かせたい 残り少ない 夢のかけらを」