○何気なく読む本の中に知識や知恵が詰まっている
公民館や病院などの待合室・ロビーなどには無造作に色々な雑誌やパンフレットが置かれています。特に順番を待っている時間などは手持ち無沙汰なので何気なく手の取りパラパラとめくり読みするのです。
昨日は金融広報委員会の仕事で今治市近見公民館へ行きました。民生委員会のついでに講演するのか、講演のついでに民生委員会をするのか分かりませんが、13時30分からの予定だったので13時に公民館に到着しました。事務所で民生委員会からの呼び込みを待っていました。ところが会議が延びたのか予定の時間になっても声がかからないのです。公民館の職員さんとしていた雑談も途切れたので、入り口に無造作に置いているニューモラルというモラロジー研究所発行のポケットサイズ本を手にしました。ご自由にどうぞということはいただけるものと勘違いして、僅か25ページの本を二冊読み始めました。
やがて呼び込みがあって2階のホールへ案内され、10数人のこじんまりした講演会は始まりました。僅か1時間の話なので気張らず、開会が遅れた分を後に伸ばさせてもらいゆっくりとお話させてもらいました。帰るとその何人かから嬉しいメールが届いて、よかったと胸を撫で下ろしました。
家に帰ってカバンの中を整理しようとしてカバンの蓋を開けてみると先ほどのニューモラルという雑誌が2冊出てきました。その中に、来年私が主宰する年輪塾に講師として招聘する予定の中桐万里子さんのことが出ていてびっくりしました。
ニューモラル494号のP16に 「思いをめぐらす」というタイトルの記事でした。
江戸末期に活躍し、多くの荒村を復興させた二宮尊徳(1787~1856)の言葉に、「遠きをはかる者は富み、近きをはかるものは貧す」があります。尊徳から数えて7代目の子孫にあたる中桐万里子さん(親子をつなぐ学びのスペースリレイト代表・教育学博士)は次のように語っています。
何気ない日常のひとコマは、それをどう理解し、体験できるかによってまったく味わいが違ってきます。目先のこと、目に見える近くのことだけにとらわれてしまうと、どんどん忙しくなり、なぜだかどんどん手ごたえや希望を失い、そして貧しくなってしまう。他方で、ちょっと立ち止まって、目には見えないこと、遠くのことにまなざしや想いを馳せ、そこから生まれるうっかりすると見過ごしてしまいそうな小さな感動や喜びに敏感であることで、人は希望を見出し、豊かになることができる。それが「遠きをはかる者は富み、近きをはかるものは貧す」ということです。~後略~
なるほどと納得しながら、その本を捲りましたが、裏表紙にモラロジー教育では3つの心を育てますと、書いてありました。「感謝の心」「思いやりの心」「自立の心」だそうで、この言葉にも感心しました。
①感謝の心
大自然の恵み、また家庭や国の恩恵などに対する感謝の心は、自分の命はもちろん、あらゆる命を大切に する尊厳性をはぐくみます。そして恩返しをしたり社会や世界に貢献していく勇気を育てます。
②思いやりの心
相手の立場に立って考えることのできる思いやりの心は、人の喜びや悲しみ、痛みへの共感性をはぐくみます。そして自分を反省したり、相手を許す謙虚さや周囲に奉仕する深いやさしさを育てます。
③自立の心
夢や志に向かって、主体性を持って生きようとする自立の心は、家庭人、社会人、また国民としての責任感や使命感をはぐくみます。そして地域や国際社会に目を向けていくたくましさを育てます。
昨日は講演の時間が遅れただけで、ふとしたことからいい教えに出会いました。
「時間待ち 短いながら いい教え 学んだものと 反面教師」
「ある雑誌 私のことが 書かれてた 時々メール 同じ体験」
「四十円 裏隅ちょこり 書いていた 二冊で八十 円も儲けた」
「知識得て 少しだけれど 利口なる これを使って 知恵に生かそう」