○車修理工場の30周年記念事業に招かれて講演②
私もこれまで長い間人の前で話す機会がありましたが、車修理工場の30周年などに招かれて話したことはないので、多少困惑しつつ会場となっている神社の境内にある集会所へ皆さんと一緒に出かけました。会場は稲井さんの自宅からは車でものの5分ほどの場所にありました。
近くに車を止め、神社の鳥居をくぐると正面に神社の拝殿が見えてきました。私はカバンから財布を取り出し、縁起を担いで「十分ご縁がありますように」と15円を賽銭箱に投げ入れ二礼二拍手一拝をして敬虔な祈りを捧げました。講演会は午後2時からなので暫くの間控え室で来賓として列席していた県会議員さんや市会議員さんと雑談を交わしました。
やがて「そろそろお時間なので」と係りの人に促されて集会室へ入りました。主催者である稲井さんから事前に「何人ぐらい集めれるか開いてみないと分からない」と言われていました。勿論自分の30周年間に培った信用という武器を持って集める自信はあったのでしょうが、信用を試されるだけに、「心配の余り昨晩は余り眠れませんでした」とご夫婦揃って真情を吐露するほど心配していたようです。「一人は困る、二人も困る、三人集まれば上出来」という私の事前話を聞いていく分気が楽にはなったようでしたが、それでも「果たして人が来てくれるだろうか?、開会の挨拶は上手くできるだろうか?」と悩みのタネは尽きなかったようでした。
さあ講演開始時間の2時にいざ蓋を開けてみると、会場は100人を越える参加者で席は満席でした。県会議員さんの短めなお祝辞に続いて稲井さんが挨拶に立ちました。100人の参加者は稲井さんの人となりや日ごろの信用で勝ち得た人たちばかりなので、朴訥と語る挨拶に皆が大きな拍手を送りました。
さあ大変です。集まった100人以上の人に、私が稲井さんと私に声を掛けてくれた稲葉さんに、恥を欠かさないよう話さなければならないのです。ある意味責任重大です。身震いはしませんでしたが、それでも身の引き締まる思いで時間一杯約110分も熱弁を振るいました。ワンフロアーの演題に伝わった反応はもう最高で、笑顔と笑い声が絶え間なくビンビン返ってきました。勿論お昼寝の時間帯ながら寝る人は一人もなく、楽しい講演会は無事終わりました。
家路に帰る人たちから、「今日はいいお話が聞けました」とねぎらいの言葉を何人かからかけられ、会場を後にして再び稲井さんの自宅に戻り懇談をしました。その後東広島市内の料理屋さんに出かけ小宴を兼ねた夕食会に招かれました。秋の風情を演出するような料理の数々に舌鼓を打ちながら懇談交流、7時半ごろ広島を後にして再びしまなみ海道を走って10時30分ごろ自宅へ帰って来ました。
運転をしてくれた高岡さんや同行してくれた稲葉さんに感謝の講演小旅行でしたが、稲井さんご夫妻や稲井さんの自動車修理工場が、30周年を新たな出発点として、今後益々発展することを祈っています。稲井さんご夫妻の「プロジェクトX」ともとれる勇気ある30周年記念事業は無事終わりました。60歳にして挑んだ未知なるものへの挑戦は、稲井さんの今後の人生にとって、大きな自信になったことは間違いないようです。稲井さんご夫妻に大きな拍手と大きな万歳を送ります。
「新しい 発想で生きる 演題で 110分も 熱弁ふるう」
「ご夫妻の プロジェクトX 大成功 一歩踏み出す 勇気乾杯」
「いい人に 巡り合ったと 思いつつ 縁の不思議を 反芻しつつ」
「三十年 終りではなく 始まりと 思えば今日は 意義ある日だな」