○家の周囲に小さな秋を見つけました
今年の秋は猛暑に明け暮れた夏顔を引いているのか連日気温が温かく、過ごしやすい毎日が続いています。それでも家の周りを見渡すと、秋の深まりを知らせるようにそこここに秋の野草が咲き始め、別に用事もないのについつい家の周りを散歩したくなるのです。昨日からの雨に続いて今朝も小雨がパラついてしっとりとしています。それでもカメラ片手に庭先の小雨に濡れた野の花を写真に収めました。
書斎の庭には私が一番大好きな岩にしがみつくように生えているノキシノブが、少し色づき始めてきました。これから秋が深まるにつれて紅葉し、ミニチュアながら深山幽谷の景色を見事に演出してくれるのです。大きなコケ玉に仕上げていたノキシノブは妹が玄関先に飾るからとプレゼントしたので、来年の春は少し切り取って作り直さなければならなくなりました。
岩の隅から恥ずかしそうに顔を出して咲いているのはヨメナの花のようです。菊に似た紫色の花はまるで一輪挿しに差した花のようでとても清楚です。
野菊もそろそろ満開を迎えます。毎年今年こそは野菊の花を摘み取り陰干しして安眠枕を作りたいと思いつつ延び延びになっていることを思い出しました。少しゆとりが出来たらぜひとも作りたいと思っています。
ツワブキの花も今年は例年になく開花が遅れているようです。大きな通夜のある葉っぱの間から、どんぐりのような蕾をつけて顔を出しています。あと一週間もすれば黄色い菊の花に似た可憐な花が当たり一面に咲くことでしょう。ツワブキは野菊とともに温暖な海沿いに群生して咲きます。早春に咲く水仙と共に双海を代表する野生の花ですが、ツワブキが咲くと段々畑のみかんが色づき、秋は次第に深まって行くのです。
「野の花は 季節を知って 咲き誇る 見る人なくも ただひっそりと」
「もうそんな 時期が来たかと 思いつつ 野辺の花々 座りて眺め」
「ツワブキの 花咲き思う 逝きし母 背中いっぱい みかん背負いて」
「牧場の 風呂場入り口 植えし花 今年も可憐 咲いて和みぬ」