○人のお役に立つという小さな喜び
2~3日前の夕方、上灘漁協女性部の島津さんから、「若松さん、今度の日曜日シーサイド公園で秋の収穫祭というイベントをするのだけれど、ダイガラ餅つきを予定しているのに臼鳥がいないので、手助けしてもらえないでしょうか」と電話がかかってきました。午前中は広島からのお客様対応、夕方からは松山で打ち合わせ会があるものの、予定された午後1時から2時までなら何とか空いているのでと、一も二もなく快諾しました。
この日のイベントのことは支所の松本さんから詳細を聞いていたし、私の性分上小さなボランティアでも頼まれたら断わるわけにはいけないのです。
私は35年間役場に勤めその殆どを公民館活動や村おこし、まちづくり活動に明け暮れてきました。自分が発想したイベントは数限りなく、その都度天気や人出、協力者を気にしながら多くの人たちに支えられて生きてきたのです。その間熱心な役場職員にも出会いましたが、その人たちの殆どは職場が変われば無関心になり目覗きさえしないのです。また頼まれてもあれこれと理由をつけて避けるようにしている人もいます。その点今日のイベントの手伝いに出ている職員は立派で、褒め言葉をかけてあげたいような心境でした。
少し前に「午後1時を午後12時30分に繰上げしたいので早めに来て欲しい」旨の連絡があり、12時頃に出かけて行きました。シーサイド公園の広場には沢山のテントが並び、中では伊予地区から集まった女生活研究会の人々が様々なお店を開いて即売をしていました。中には顔馴染みの人も沢山いて懐かしい言葉を交わしましたし、聞かれる度に近況を懐かしくお話しました。
(まるで木馬のようなダイガラ餅つき機)
お礼に持ちの詰め合わせを1パック、お礼にとじゃこカツとじゃこつみれまでいただき、恐縮してしまいました。まあこれからも求めに応じ積極的にボランティアとしてまちづくりに参加しようと思った爽やかな二日間でした。
「臼取りが いなくて困る 声かかる 小さな善意 皆が持ち寄る」
「掛け声に 合わせダイガラ 餅をつく 子どもの参加 和気藹々と」
「タカキビに 粟とヨモギが 加わりて 昔懐かし 餅をほおばる」
「強弱の 阿吽の呼吸 よみずらく 手臼難し ダイガラ餅は」
さて私の役目であるダイガラ餅つきの臼取りですが、今日は粟、タカキビ、ヨモギの3種類の餅つきをしました。ダイガラ餅つきも今ではすっかりお馴染みとなって、子どもたちも体験餅つきに参加し、その出来上がった餅を買い求める列が出来るほどでした。私はボイラーから降ろした蒸篭をダイガラまで運び、臼に入れて小突きした後臼取りをするのです。子どもたちが足を踏んで突き降ろす杵は不規則で、下手をすると手を突かれる心配があるし、それを気にしていると冷めて餅にならないので真剣にやりました。3臼なのでそれほど時間はかかりませんでしたが、みんなの協力で上手く収めることが出来ました。私も松本さんも昨日人間牧場で3臼、今日シーサイドで3臼と合計6臼突いた計算になるのです。私は手臼なので手の皮が餅の熱で焼けたのか少々ヒリヒリしました。