○33人全員が生還
昨日は朝から晩までチリ鉱山落盤事故の救出の模様がテレビやカーラジオから流れ、暗いニュースの多い昨今ながら、久しぶりに世界中が明るいニュースに胸を打たれました。
8月5日の事故発生から69日ぶりに、地下約700メートルに閉じ込められた作業員が、救出のために掘った70センチの穴を一人ずつ引き上げられ、救出される度に完成が沸き起こり、家族と抱き合って喜ぶ姿はまさに地獄から天国への生還だったに違いないのです。
それにしても地下700メートルの空間で69日間も、絶望と期待の交錯巣するなかで生きていたことは信じ難いことです。ましてやその人たちを救出するために多くの技術者が昼夜を徹してトンネルを掘り続け、そのトンネルが作業員のいる空間にどんぴしゃり堀り当てられるのですから、どれ一つとっても私のような素人には神業としか思えないのです。地下に閉じ込められた33人の暮らしぶりはこれから明らかにされるのでしょうが、みんなを勇気づけながらしっかりと役割分担して、混乱もなく33人全員を無事で救出させたリーダーの存在とその手法は、大いに間生なければならないようです。
皮肉にも洪水の対応が遅れて大統領の支持率が低下していたのに、この救出劇で大統領の支持率は一辺に上昇に転じたというから南米らしい国民性を現しています。国民性と言えば救出された人たちの様子やコメントにも面白いものが沢山ありました。救出された人の一人に愛人がいて、本妻は救出現場に立ち会わず、愛人が立ち会い保養を交わす姿は、緊迫した現場の雰囲気を笑いの渦に巻き込みました。また救出された一人はやわら自分のバッグを広げ、地下から持ってきたお土産の石を皆さんに配る姿にも思わず吹き出してしまいました。
「チリ万歳」と国旗を掲げて愛国心を叫ぶ人、ひざまずいて神に感謝する人、わが子と抱き合って涙を流す人など、様々な人間模様には思わず涙を誘いました。
「二ヶ月余 暗い地下室 閉じ込めし 三十三人 地上生還」
「抱き合って 涙する人 テレビにて 映し出されて 涙を誘う」