○花篭のプレゼントに大感激
昨日外出先から帰って自宅の玄関の戸を開けると、目の前の板間に何やら花篭のようなものが置いてありました。「はて、何だろう?」と思いつつ、直感的に「もしや」と、この10年間毎年私の誕生日に届く花束ではと思いました。それにしても誕生日は過ぎたのに何故と不思議に思いました。
花篭にそっと差し込まれたメッセージを開くと、「若松様、三日遅れのお誕生日おめでとうございます」と書かれていました。文章には「わが家では一週間ほど前から家族中で風をうつし合っていて、今日は長男の番です。私もやっと解放されてこれから秋を満喫しようと張り切っています。今日は久しぶりに双海に来ることができ、心も身体もリフレッシュできそうです。若松さんのエネルギーが満ちているようで双海が大好きなのです。これからもそのエネルギーでたくさんの人に感動を与えて下さいますように、お元気で頑張って下さい」と素敵な言葉が添えられていました。
花篭の贈り主は松山南吉田に住む西岡真由美さんと伊方町瀬戸塩成に住む緒形二三子さんです。縁もゆかりもないお二人に花束をいただくようになったのは今から10年も前の2001年10月3日と記憶しています。その日私はいつものように朝5時に起きて、海岸の掃除をしていました。海岸だけならまだしも水槽の掃除をしてドロドロになっていました。自宅に帰ろうとするとお二人の女性が現れ、いきなり私に花束をプレゼントしてくれるのです。私も藪から棒の出来事で驚きましたが、特産品センターの職員やじゃこ天の叔母ちゃんたちも驚き、みんなで大きな拍手をしてくれました。「若松さん、男冥利に尽きるね。水知らずの人でも、あなたの毎日ひたむきな掃除をする姿を見てるのよ。私も感激しました」と、漁協女性部の富岡部長さんが褒めてくれ、その夜は仕事が終わってからシーサイド公園夕浜舘で盛大な誕生パーティーをしていただきました。
私はその年の5月23日に県立中央病院へ5日間入院し、胆のう摘出手術をしていて、その後の回復が思うにまかせず、半年で15キロも体重が減った時期でした。
その時以来、二人の女性は毎年欠かすこともなく私の誕生日に大きな花束を届けてくれ続けているのです。その都度「来年は遠慮します」と丁重にお断りをしましたが、相変わらず今年も花束ならぬ花篭が届けられ、大感激でした。しかも誕生日が終わって三日後というのもまた心憎い気配りで、余計感激しました。
人情紙風船とかいわれる、説がらい世の中なのに、奇特な人がいるものだとしみじみ感心しながら、昨夜お二人にお礼のハガキをしたためました。そして外が明るくなり浅野チャイム放送が鳴る午前6時に戸外に出、歩いて郵便局のポストへ散歩がてらハガキを出しに行きました。今朝はこの秋一番の冷え込みで、真っ青な秋空に白い雲が浮かんで気持ちよく歩きました。
66歳のこの歳になっても、私の誕生日を覚えてくれていて、花篭までくれる人がいるのですから、こんな嬉しいことはありません。さあ、お二人のメッセージのようにこれからも、感動のセールスマンとして元気に頑張り、二人のご恩に報いたいと思っています。
「今年また 玄関先に 花篭が 嬉し恥ずかし この歳なりて」
「十年も 続く花束 感激で 胸がいっぱい ウルウルします」
「花束が 私の心 ネジを巻く もうひとふん張り やるとしようか」
「お父さん あんた幸せ 妻が言う 自分自身も 納得しつつ」