shin-1さんの日記

○和歌山日帰りの旅日記

 今回の講演は昨年の10月12日に遡るご縁です。松山の全日空ホテルで開かれた全国都道府県庁職員互助会研修会に私は愛媛県庁から記念講演を頼まれて1時間お話をしたのです。地元の講師ということなので参加した皆さんは旅のお土産にもならぬ話だと多分余り期待をせずに望み、変える時間を気にしながら聞いたのだろうと思うのです。ところが私の撒いた撒き餌に食いついて、何人かからお便りやメールを頂きました。それだけでも嬉しいのに、私を呼んで講演会を企画していただいた方がいるのです。和歌山県庁の橋口さんなのです。橋口さんは真面目な方でその後メールでのやり取りやハガキが届くようになって、お互いがもう昔からの知人や友人のような振る舞いで、橋口さんからは和歌山県特産の柿まで送ってもらう丁寧さに、こちらも嬉しくなってより身近な人となったのです。橋口さんは事前に私の自著本も購入して読んでいただいたようです。

 

 会場は県庁の近くの自治会館でありました。申し込みは予定した人数をはるかに越えて200人近くに達し、急遽会場を大きなものにしたそうで、嬉しい限りです。

 私の話は「新しい発想で心豊かに生きる」というタイトルでした。僅か90分ですから聞きなれている県庁の人へのレクチャーですので普通2時間の番組をまるで早送りするように喋りましたが、午後の会ながら居眠りをする人もなく無事終わることが出来ました。

(和歌山県庁の橋口さんが撮影して、インターネットで送ってくれた画像です。こんなに沢山の人が私の話を熱心に聞いてくれました。嬉しい限りです)

 さあ講演も終わったと、インターネットで調べた列車の時刻表を頼りに駅まで送ってもらったまでは良かったのですが、さあ紀州路快速に乗り込もうとした瞬間、携帯がなりました。担当者の女性林匡代さんから「コートを忘れている」というのです。「しまった」と思いながらコートには車のキーも入れているので列車を一本遅らせて駅まで届けてもらうよう頼みました。列車の発車は35分、焦る心で待ちましたが3分前に彼女の顔を見た時、思わず嬉しくなると同時にすまない気持ち一杯になりました。

 先日も旅先茨城県水戸でデジカメをホテルへ忘れ、地域政策研究センターの松本さんや谷本さんに迷惑をかけたばかりなのに、また大失態をやってしまいました。本当はこのことも内緒にしておきたかったのですが、こんなことは赤福程ではないにしても騒ぎが大きくなるものです。私は「忘れることの常習犯」として皆さんに認知してもらっていた方が気分が楽なため自己申告させてもらいました。でも忘れるということはそれだけ頭が空になりまた入る容量領域が増えるのですから、悪いことばかりではないようです。

 橋口さんとの出会いは今後もいい人間関係でありたいと願っています。和歌山は弟嫁の出身地で、昨年リタイアした弟夫婦は奈良県大和郡山の自宅を息子に譲って南に位置する古座の方に住んでいます。また無人島で知り合った森さんや、商工会の方々など、十指に余る方々が暮らしています。

 47都道府県の中でも和歌山は忘れられない思い出の地なのです。

 深夜11時過ぎにわが家へやっとたどり着きました。ブログを書く暇もなく明くる日の準備をして返信要請のメールを処理し、ブログの項目だけ予約入力して入浴し床に着きました。
  「さようなら コートを忘れ 駅に着く 歳のせいです 御免なさね」

  「縁不思議 たった一つの 講演が 世界広げる 嬉しい限り」

  「嬉しいね 私如きの 講演に 二百を越えて 聞き入るなんて」

  「一日に 二本のメール 朝晩に 明日は今日分 四本ノルマ」 

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shin-1さんの日記

○和歌山に行って来ました

(和歌山城の三分咲きの南高梅)

 この頃、世の中「近くが遠くに遠くが近くになった」としみじみ思います。私のように全日本的に動いていると、ついつい隣近所の人と疎遠になって、近い情報が入らなくなって身近な情報が遠くなったなあと感じる反面、遠い土地でありながら和歌山へちょっと無理をすれば日帰りで仕事が出来るのですから近くなったものです。

 今日も和歌山での講演に招かれ出かけました。講演会は午後からなので急ぐこともあるまいと和歌山城を散策することにしました。和歌山城はもう何度も訪ねていて、知り尽くしているような感じがするのですが、こうした歴史あるものは訪れる季節や気分によってかなり違った捉え方が出来るので、木になるカバンを提げてのんびり歩きました。冬の寒さのせいでしょうか訪れる人もまばらで、時折すれ違う人は健康のためのウォーキングや通勤を急ぐ人たち程度でした。

 堀に映る石垣、コモ巻きをした老松はお城ならではの景観で、城門にかかる太鼓橋や白い塀は歴史の重みを感じさせてくれました。城門の中に入ると冬の寒さの中で水仙の花が咲き、梅の産地らしくそこここに植えられている南高梅が三分咲きながら馥郁とした香りを漂わせていました。

 坂を登りながら見上げる天守閣は場所場所によってその姿や表情が変化し、素晴らしい眺めです。

 沢山撮影した中から以上三枚の写真を選びましたが、御三家紀州徳川の威容を目の当たりにして、高く聳える郷土松山城にはないものを感じました。

 お城にはあちこちにわき道や幾つもの城門があって、上がる路や城門によってその趣きが全く違い、飽きさないのも城山の魅力でしょう。特に急に発見した忍者返しの道や石垣に意味ありげな文字を発見するとまるでミステリーの世界へ迷い込むようなワクワク・ドキドキが感じられるのです。

 民俗学者宮本常一は旅をしたならまず高い場所に登り全体を見るよう心がけたといいます。私も常一の教えに習い真っ先に城山に登って太陽の位置から東西南北を見ました。県庁の直ぐ近くに今日の会場となる自治会館があると聞いていたので、そちらの城門を目指しました。迷うことなく県庁へ到着できたのはそのお陰だと思いました。

 県庁は城山の近くにあり、比較の対象である愛媛県庁を頭に描きながら写真を撮り、正面玄関から中に入りましたが、古さは中々のものです。

 少し時間がるので県庁の前の県民文化ホールで展示物を見学しました。興味をそそったのは若い刀鍛冶の作刀風景の展示でした。わが家にはかつて多い時は10本もの刀がありましたが、兄弟や親類に分配したため今は5本ほどか残っていませんが、刀のできるまでの行程が写真や文章、それに映像で展示されていました。抽象画と一緒の展示だったのですが、絵の分らぬ私はもっぱら刀の展示に集中し、芳名録に署名して館外に出ました。運良く担当の橋口さんから携帯が入り文化ホールの前で無事落ち合うことが出来ました。

 そのご担当課に通され気さくな有田室長さんや愛媛大学を卒業し和歌山県庁に勤めている南出さんや池永さんと面談し愛媛の話しに花を咲かせました。

  「何度でも 来たい和歌山 城あたり 一人散策 嬉し休息」

  「県庁は 古き歴史を そこここに わが県庁と 対比しつつも」

  「梅一輪 咲いて和歌山 春を知る 鼻を近づけ 花の香匂う」

  「玉鋼 鍛えし刀 見る度に 伝統文化の 深き味わい」


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