人間牧場

〇ウォーキング途中に見つけた石垣の景観

 朝夕のウォーキングを始めて、早いもので15年になりました。最初は闇雲に一日1万歩をめざして歩数を増やすため、ただただひたすら歩いていました。ところがつい最近、自分の心にゆとりができたのか、視界に入るものが多くなり、今まで見ているはずなのに気づかなかったあれやこれやが目立つようになってきました。

例えば上灘川河口にある上灘漁港の突堤を歩くと、コンクリートの上に、白い糞が沢山落ちているのに気が付きました。カモメには大型のウミネコ系と少し小さいユリカモメ系の2種類が混住していて、海に食べ物の少ないこの時期になると、カモメたちは港付近にやって来るのです。鳥たちは外敵に敏感で、鳥目という言葉通り夜は目が不自由で飛ばないのかと思えば、私の姿を察知して結構飛び立っているようです。

野面積の石垣

 双海中学校すぐ横に農道が通っていますが、農道に面した石垣もとても立派です。石の積み方に詳しくない私ですが、この積み方は野面積という工法のようです。戦後学制改革でこの場所に上灘中学校が出来た折積んだものと思われますが、今だとコンクリート仕上げが普通の工法でしょうが、当時はこんな工法で石を積んだ石工さんが地元にいたのですから驚きです。

 

矢羽積の石垣

 学校関係者も、勿論この学校を卒業した方々の中には、この石積みの価値に気が付いていない人もいるのではないでしょうか。近くの畑で矢羽積の石垣を見つけました。野面積同様多分半世紀以上、崩れることもなく構造物や畑をしっかりと守り続けているのです。石積みは自然に近い形で保水や排水を実に理にかなった自然体でやっているのです。コンクリートやアスファルトが万能だった戦後の土木事業を、これほど自然災害が頻発する現代こそ、もう一度見直す必要があるのではないでしょうか。

「ウォーキング 途中に見える あれやこれ 今まで何で 気づかなかった」

「突堤に 無数の白い うんこ見る カモメザワザワ 今では住処」

「学校の 農道面した 石垣は 野面積だが 価値ある一品」

「石垣は 先人の知恵 排水も 自然にできて コンクリより上

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