人間牧場

〇囲炉裏を囲んで作戦会議

 わが家の敷地内に私設公民館「煙会所」という4畳半の、囲炉裏を切った一戸建ての小さなたまり場があります。私が31歳の時青年の船で太平洋を渡って建国200年のアメリカやメキシコを訪問して帰国後、処志の心を持ち親父の協力を得て自費自作しました。葉隠れの狼煙になぞらえ「煙会所」と名前を付けた私設公民館は、その後多くの人を迎え入れ、私の進化に大いに役立ったことはもちろんのこと、双海町のまちづくりの拠点となり、この煙会所で発想した夢が様々な形になりました。

囲炉裏を囲んで
囲炉裏の火は暖かい

 酒を浴びるほど呑んでいた若い頃は、連日煙会所で酒盛りをしていました。そのことも原因のひとつかも知れません。今では酒の飲めない体になってしまい、昔ほどの利用はなくなったものの、むしろ今では隣接する親父の隠居跡とともに、来客対応の応接室となっています。さて先日、煙会所で私が会長をしている子ども教室の主力メンバーで、今までの反省とこれからの活動を考える作戦会議をすることになりました。作戦会議と言っても別に議題がある訳でもなく、雑談の延長のようなものなのです。

庵主である私の仕事は、来客が来る前にまず囲炉裏に火を起こすことです。四畳半の畳の部屋に掃除機をかけ、固く絞った雑巾で畳を拭いたり、便所の掃除をしたりしながら、細かく割った杉板を杉葉と一緒に燃やして火種を作りました。部屋はあっという間に五里霧中のように煙が充満し、その内部屋が暖かくなるにつて上昇気流が起こり、天井部分の煙穴から煙が外に出始めました。炭をつぎ足し火は順調につきました。その内約束の午後6時が近づくといつもの顔ぶれが揃い、食談は始まりました。

平成の大合併前の双海町時代は行政と住民の距離感が近く、打てば響いていましたが、今は行政との距離感が何となく遠く感じられるようになりました。行政職員や議員さんと面談したり協働したりする機会も徐々に減って来ています。それでも自分の住んでいる町を少しでも良くしたいし、特に未来を背負う子どもたちを育成することはとても大事な活動だと思うのです。自分たちに出来ることは何か、子どもたちをどう育てるのかを自らに問いかける、まさに作戦会議のようないい集会でした。

「煙会所 四畳半しか ない部屋の 真ん中囲炉裏 囲んで議論」

「火を起こし 体と心 ほのぼのと 自分に出来る 夢など語る」

「金がない だったら知恵や 汗を出せ 汗も出なけりゃ 辞表出すのみ」

「子どもたち 育てなければ この町の 未来はないと 口角泡で」

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