人間牧場

〇終活や断捨離のお手伝い

 自分がそんな歳になったためでしょうか、最近やたらと私の身の回りの人が終活や断捨離をするのを手伝わされています。終活や断捨離の相談をする人は、「あんただったら私の大事にしていたものを受け継いでくれるから・・・」と言うのですが、その人たちの殆どが終活や断捨離で、惜しそうに「これはどう?」と言う物の殆どはガラクタで、「要らない」と思いながらついつい、「捨てるのには勿体ない」という心が働き貰って帰ってしまうのです。

私が作った羽釜の蓋

 そんな私の行動と、私の持ち帰ったガラクタを見て、同居している息子はいつも、「お父さん、使いもしない物を貰ってこないようにしないと、お父さんが死んだら僕が困る」と、やんわり諭されるのですが、私は昭和19年生まれの古臭い人間ゆえ、ついつい手が出てしまうのです。先日90歳になったのを機に漁師を廃業した叔父から、「倉庫を片付けるので手伝って欲しい」と相談を受けました。私の欲しい物もいっぱいありましたが、息子の顔を思い出し、「これどう。これも持ち帰ってはどうか」という叔父の言葉を遮りました。

その折新品のようなアルミの羽釜を勧められました。蓋は朽ちていましたが羽釜はまだ十分使えそうだったので、帰宅後倉庫の端材の中から適当な分厚い板を見つけ、蓋を作ることにしました。親父が存命中「お前は不器用だ」とレッテルを張られていますが、最近は親父の遺した道具類を使って結構日曜大工を試みて、自分でもそれほど不器用ではなく、器用だった親父に似ていると過信して、色々なことに挑戦しています。

今回は羽釜の蓋を作りましたが、普通羽釜の蓋は取っ手が2つついていますが、私は1つでもいいのではと思い、変わった蓋を作ってみました。出来栄えはまあまあといったところですが、自分では内心よくできたと思っています。妻もできあがった羽釜の蓋を見て、「お父さんも器用ねえ」と褒めてくれました。してやったりの心境です。ただ息子は「お父さんも暇じゃねえ」でした。相変わらずの減らず口です。「お父さんが死んだら・・・」と言った息子の言葉を気にしながら、さあこの羽釜で近々ご飯を炊いてみましょう。

「終活や 断捨離多く なりにけり ハッと気がつく わが身もそろそろ」

「これはどう 貰って欲しいと 言われるが 殆どガラクタ 困ってしまう」

「まあいいか 貰って来れば わが息子 冷たい目線 冷たい言葉」

「不器用の レッテル貼られた わが身だが 近頃何かと 手作り凝って」

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