人間牧場

〇正法寺の掲額

先日数珠くりと大草鞋張りの仏事に参加した正法寺の本堂にこんなおもろい掲額がありました。長文ながら書き抜いてみました。誰が書いたか知りませんが大阪弁の文章は確かに面白いです。

正法寺の掲額

ぼけたらあかん 長生きしなはれ

年をとったら出しゃばらず
憎まれ口に泣き言に
人のかげ口愚痴いわず
他人のことはほめなはれ
聞かれりゃ教えてあげてでも
知ってることでも知らんふり
いつもアホでいるこっちゃ
勝ったらあかん負けなはれ
いずれお世話になる身なら
若いもんには花持たせ
一歩さがってゆずるのが
円満にいくコツですわ
いつも感謝を忘れずに
どんなときにもへえおおきに!
お金も欲も捨てなはれ
なんぼゼニカネあったとて
死んだら持っていけまへん
あの人ええんやった
そない人から言われるよう
生きているうちにばらまいて
山ほど徳を積みなはれ
と言うのはそれは表向き
ほんとはゼニをはなさずに
死ぬまでしっかり持ちなはれ
人にケチと言われても
お金があるから大事にし
みんなベンチャラいうてくれる
内緒やけれどほんまだっせ!
昔のことはみな忘れ
自慢話はしなはんな
わしらの時代はもう過ぎた
なんぼ頑張ろうとしても
身体が言うことききまへん
あんたは偉いわしゃあかん
そんな気持ちでおりなはれ
わが子に孫に世間さま
どなたからでも慕われる
ええ年寄りになりなはれ
ボケたらあかんそのために
頭の洗濯生きがいに
何か一つの趣味持って
せいぜい長生きしなはれや
後生大事や皆の衆
死んでも命があるように!

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人間牧場

〇新聞の訃報欄

 先日2日続いて新聞の訃報欄に悲しい訃報が載りました。一人は元魚島村村長だった佐伯眞登さん、もう一人は愛媛大学准教授の丹下晴喜さんです。佐伯さんは88歳でしたが、丹下さんは55歳という若さでした。丹下さんとの出会いは、長女が結婚する時婿が同じ大学に勤めていたこともあって、見届け人のような感じで結婚式に列席してもらった時からでした。

新聞の訃報欄

その後、当時の法文学部長さんと丹下さんが双海町役場へ見えられ、法文学部総合政策学科の非常勤講師をして欲しいと頼まれ、町長さんとも面会し了解を得ました。間もなく合併により役場を退職してから10年余り、年間30コマ60時間4単位の、私にとってはかなりハードな週1回の講義を続けましたが、その窓口となってくれたのが丹下さんでした。

 何度となく大学の教室で、あるいは食堂や戸外のベンチで、時には講義の内容や他愛のない雑談をしましたが、ニコニコ顔の丹下さんの姿は今も忘れることはできません。佐伯さんの葬儀に参列していた折娘からの電話で訃報を知ったり、お別れ会も重なって出席することが叶わなかったことは残念でならず、心からご冥福を祈りました。

 時には100歳まで生きれる世界一長寿の国に住みながら、丹下さんのように55歳で短い生涯を閉じる人もいます。幾ら健康に注意をしていても心不全や脳卒中など、自分でコントロールできないことで命を落とす人も沢山いますが、自分の人生に置き換えながら、これからどう生きるか、考えさせられた丹下さんの訃報でした。

「相次いで 新聞訃報 載った人 知り人だけに 心が痛む」

「55歳 余りに早い 幕引きに みんな戸惑い ×●÷▼−・・」

「この人に 出会わなければ 大学で 教えることも なかったかもと・・・」

「惜しい人 早く旅立つ ひょっとして 私はどうか? 微妙なところ」

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