人間牧場

〇使わなくなりつつある辞書類

 35年間地元の役場に勤め、その間町の広報「ふたみ」を10年間にわたって担当し、毎月2回も殆ど一人で240号のタブロイド版広報を発行しました。原稿を書くためにはまず読まなければならないし、調べなけれればならないため、色々な辞書のご厄介になりましたが、中でも国語辞典と広辞苑は手元に置き、それ以外調べ様がないので毎日のように分厚い辞書を擦り切れるほど首ったけでめくっていました。私が広報の役目を外れた頃ワープロが出始め、その後パソコンでインターネット検索ができるようになり、今では余程のことがない限り辞書を引くこともなく、辞書類は書斎の隅でさみしく眠っています。

60年ぶりの大改定広辞苑

 今日、岩波書店発行の広辞苑が60年ぶりの大改定、10年ぶりに7版出版というニュースが流れました。少しお高く分厚い辞書なので、またインターネット万能な世の中になったゆえ、1万件以上の新しい言葉が載っていると言われても、果たして買うかどうか、欲しい気持ちもありますが微妙なところです。まあこれまで散々お世話になった辞書なので、恩返しのつもりで買わなければ罰が当たるかも知れないと思いつつ、はてさてこれからの余命人生においてどれほどの必要性があるのか?とも思い、妻に相談したら、「自分が使わなくても、家族が使うのだから何を勘弁してでも・・・」と有難い理解を得ました。

 それにしても印刷したペーパー活字に触れる機会がこんなに減るとは、だれが予測くしたでしょう。新聞を除けばデジタル文字は朝から晩まで読みますが、ペーパー活字は余り読まなくなりました。人間牧場の書棚に書斎の蔵書を運んでから13年近くが経ちましたが、それほど不自由もなく、また時々調べ物をするためそれらの蔵書を再読しますが、殆どはもう紙ごみ同然になってしまいました。多分私が亡くなれば、小遣いをはたいて買ったこれらの蔵書は、息子の手によって人間牧場の空き地で燃やされたり、トラックに積んで古紙回収業者に引き取ってもらうことでしょう。嘆かわしくも寂しい気がする広辞苑7版出版のニュースでした。

 「60年 ぶりに改定 広辞苑 今は書斎の 隅でひっそり」

 「毎日の ようにつばつけ めくってた 懐かしきかな 辞書の数々」

 「ペーパーの 活字少なく デジタルの 文字が主流の 現代社会」

 「退化する はずだと納得 歳をとる 文字を忘れりゃ すぐに手助け」

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