人間牧場

〇砂の美術館

 八上での講演会が午後になって、午前中のスケジュールが空いたので、藤原さんの案内で鳥取砂丘入り口の砂の美術館を見学させてもらいました。鳥取駅からそう遠くない位置にありますがこの日は朝から平野でも20㎝の積雪に見舞われ、自慢の砂丘も降る雪で視界が効かず見えませんでした。それでも美術館内には日曜日とあって、朝から沢山の見学者が入っていました。アメリカのフロンティアをテーマにした展示物は、薬品などを一切使わず砂を水を打ちながら固めただけという信じ難い砂の塊を、鏝で削りながら丹念に仕上げて行くのだそうです。

砂の美術館内部

鳥取砂丘も雪でした

どこまでも続く雪道

 体育館のような屋根と周りを囲った館内には大小20ほどの展示物が並んでいましたが、そのド迫力に最初から最後まで感嘆の声を上げました。これまた勿体ない話ですが、せっかく作られているこれらの展示物は、一年に一度全て壊して、世界中から集められた砂のアーテストたちによって造り替えるという、信じ難い話も聞きました。2階の展示室に地元産手すき和紙を何枚も張り合わせて作ったという、それは見事な純白の大きなクリスマスツリーが飾られていました。館内の砂の造形物が大きいのでそれほど大きくは感じませんでしたが、天井まで届く見事なものでした。

 砂は元はと言えば一粒です。「小さな砂の一粒も積もれば富士の山となる」という歌を小さい頃聞いたことがありますが、砂には自然が作り出す鳥取砂丘のような景観もありますが、同じ砂でも砂を固めて人間が作る造形もまた一味違った楽しみ方です。私の机の上には5分計の砂時計が置かれています。一粒一粒落ちて時を刻む姿に自分の人生を重ねながら、85年計の自分の人生砂時計は、もう12年分しか残っていません。ゆえにこれからの12年間は毎日毎日悔いの残らないような生き方をしなかればなりません。砂それぞれ、人生もそれぞれです。

「砂固め 鏝で削った 作品が 所狭しと 迫力誇示し」

  「外は雪 館内砂の 造形群 アメリカ歴史 テーマの作品」

  「わが机上 5分計なる 砂時計 速いと思う? 遅いと思う?」

  「子ども頃 小さな砂の 一粒も 積もれば富士の 山だと聞いた」

[ この記事をシェアする ]