人間牧場

〇飾らなくなった表彰状

 昨日書斎を片付けていたら、表彰状や委嘱状が沢山出て来ました。多分息子たちが同居するため家をリフォームした際、座敷の鴨居に飾っていたのを全て取り払ったものです。息子は私に悪いと思ったのかそれらを額から外して、大きなファイルに納めて保存してくれていたようでした。

唯一書斎棚に置かれている、一番新しい大臣表彰

 表彰状や委嘱状の一枚一枚にはそれぞれの思い出があり、いわば私の生きた証なのですが、息子にとっては紙切れ同然で何の価値もないのかも知れません。実は私も親父が一昨年亡くなった半年後、親父が長年住んでいた隠居をリフォームする際、息子と同じようなことをやった記憶があるのです。

 親父は若い頃から腕の良い漁師だったため、漁協組合員の中で年間漁獲高が一番を何度も達成し、その都度総会で表彰を受けているのです。また長年組合の役員も務めて感謝状も沢山貰い、それらを誇らしげに座敷の鴨居に飾っていましたが、それらを全て外し、捨て切れぬ親父の人生ゆえ隠居の戸棚にしまっているのです。

 はてさて私の表彰状の中には、昭和43年(23歳)に第14回NHK青年の主張愛媛県大会最優秀賞や、昭和56年優良公民館職員全国表彰、平成元年国際交流30周年記念論文最優秀総務大臣表彰、平成9年全国PTA活動功労賞、平成15年国土交通省観光カリスマ百選、平成22年金融知識普及功績者金融担当大臣表彰などなど、沢山いただいていますが、今となっては紙切れ同然で、かまどのない現代ゆえ焚き付けにもならないのです。まあ田舎に住む名もなき私も、歴史に名を刻まれることもなく朽ち果てることでしょう。

  「書斎棚 表彰状や 委嘱状 沢山出てきて 感慨深げ」

  「息子には 紙切れ同然 価値もなし 額から外し ファイル差し込み」

  「一昨年 私も親父の 隠居家で 息子と同じ 片付けしました」

  「嗚呼私 歴史に名前 残さずに 死んで行くのか これも人生」

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