人間牧場

〇炊いたヒジキのおすそ分け

 前日の昼過ぎ富岡海岸で採取したヒジキを、午後4時過ぎに大釜に入れてかまどに火を焚き始めました。かまどに使う薪はあらかじめ準備をしていたものに加え、裏山の林から調達した杉枝で、エネルギー費ゼロの算段です。ヒジキは3時間火を燃やし続けなければならないため、薪の量も半端ではなく、また火の番も20分おきに薪を入れなければならないので、前日は暖かかったものの、やはり陽が落ちると寒さが増して、水仕事なので鼻水をすすりながらの作業となりました。

 外に夜の帳が降りた午後8時前に火を止め、残り火で蒸すのですが、火事にならないよう懐中電灯の明かりを頼りに火の始末をして作業を終えました。昨日の朝はあいにくの雨模様でした。早速大釜の様子を見ましたが、蓋を開けるとまだヒジキは蒸せて湯気が残っていました。午前中近所の上灘保育園へ外出するので、かまどの上に覆いを被せ雨が入らないようにして出かけました。昼からは雨も小康状態となったようなので、大釜から使い捨ての薄い手袋をしてヒジキを取り出し、サナ6つに広げ、雨の当らない夕観所にアルミ脚立を伸ばして陰干しし、残りのヒジキは妻が用意してくれたナイロン袋に小分けをしました。

 大釜を金タワシと水で洗いそこら辺を片付けたので、ヒジキを軽四トラックに積んで知人友人のところへお裾分けして配りました。地域おこし協力隊の本多さんとは、ヒジキを取りに行く約束をしていたものの、お互いのスケジュールが合わず残念だったので、お裾分けを届けてお詫びをしましたが、願わくばヒジキの加工体験もして欲しいので、可能なれば今日あたりと目論んでいますが、多分取るのは取っても大釜で湯がく作業は結局私かもと思ったりしています。
 ヒジキのお裾分けは大釜とおくどを先日頂いた下灘の叔母にも、また先日そば打ち体験や金属柵設置でお世話になった西岡さんや公民館関係者にも配りました。

 もう一軒は少し遠いのですが、いつも色々なものをいただく伊予市の水口マリ子さんにも届けました。水口さんは大層喜んでくれて、この時期には珍しい沢山のトマトや小松菜、黒豆惣菜までいただき、かえって恐縮してしまいました。私の地産地消や未利用資源の利用法は、まずこれが前提です。多少難儀はしますが体を動かすだけでヒジキがこれ程の人に配られ、喜ばれるとしたら、これはもうとてつもない大きな喜びです。勿論わが家でもまだ湯気の残る湯がきたてのヒジキを使った料理が食卓に上り、家族みんなが美味しいと喜んで食べてくれるのです。加えてヒジキはサナに干して干しヒジキとして保存され、一年中のわが家の食卓を賄ってくれるのです。日々の生活をみんなと楽しむ、この前提がなければ田舎暮らしは不平や不満、不安だらけで味気ないものです。ヒジキを使った郷土料理の伝承にも挑戦です。ヒジキ飯、ひじきの白和えもそろそろ食卓に上るころです。今年はヒジキの粉末をふりかけにしようとも・・・、ああ夢は広がります。

  「湯がきたて ヒジキあちこち お裾分け これも大事な 私の仕事」

  「お裾分け した相手から あれこれと 頂きさらに ご縁深まる」

  「一年分 乾燥ヒジキ ストックし 食卓豊か これ田舎流」

  「さあ次は 郷土料理を 普及する 美味いぞヒジキ 次々仕掛け」

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