人間牧場

〇主人と一緒の墓に入りたくない妻がいる

 朝のテレビ番組「ごちそうさん」が面白くて、BSは7時30分から、地デジは8時から放送があるので、妻は仕事に行く前に見ています。私も最近妻につられて見ていますが、それにつられて孫たちも母親に、保育園へ行く準備が遅れるとせかされながら見ています。孫たち二人は番組の歌をしっかり覚えて、機嫌が良い日などは主題歌を鼻歌のように楽しく歌っています。

 8時15分からNHKの朝の番組が始まりますが、有働アナがごちそうさんの番組を引っ張るので、ついつい見てしまうのです。昨日は「夫の墓に入りたくない妻」というこれまた興味をそそるような内容に、思わず目と耳を傾けてしまいました。私のような古い人間は死んだら夫婦が一緒のお墓に入るのは当然と思っていますが、いやはや世の中には変わった人がいるものです。

 ところがアンケート調査によると、20年前と今とでは様子が違っていて、半分近くの女性が夫と一緒のお墓に入ることをためらっているというのです。その原因は何といっても夫婦の中の悪さです。定年後稼ぎのなくなった夫のために食事を作ったり、洗濯をしたりすることで一生を終えたくない自由願望の妻にしてみれば、死んだ後まで一緒は耐え切れないというのです。

 ましてや先祖代々の墓にはいじめられた姑も、老介護をした舅や顔を見たこともない一族郎党が葬られているのですから、考えただけでも寒気がするそうで、願わくば自分の両親のお墓に入りたいというのも無理からぬことです。もう一つ今はペットの犬や猫と、同じ部屋の中で家族同様に暮らしているのに、ペットと一緒のお墓に入りたいけれど、お寺ではそれはできない相談だと断わられるのです。

 そのため夫に内緒で自分だけのお墓を準備している人もいるのだそうです。お墓は得てして人里離れた寂しい場所にあります。また夫は田舎出身の人が多く、死んだら田舎の墓地に納骨されることだってあるのです。お墓参りの嫌な人には、お墓参りをしてくれる代行業だってあるし、お金を出せば納骨堂で永代供養をしてくれるのです。便利になった反面これでいいのか?と世間の変化に戸惑いする感じるのは、私一人ではないはずだと、思わず苦笑いしてしまいました。

  「死ぬ前に 死んだ後まで 考える 夫の墓には 入りたくない妻」

  「夫とは 一緒嫌だが 犬や猫 一緒納骨 望む人あり」

  「日本も ここまで来たか 墓事情 何をよすがに 生きたらいいか」

  「妻だけは 一緒の墓と 信じたい 世の中夫 寂しく疑う」 

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