人間牧場

〇縮む社会の中で

 新型コロナの影響で不用不急の外出を控えたり色々な集会が中止になり、リタイアして現職を離れて16年にもなるのですから当然と言えば当然でしょうが、これまで私に届いていた情報がつい最近少なくなっていることに気づいています。新聞やテレビ、インターネットで世の中の動きや情報はよく分かるものの、特に隣近所や町内、それに隣の町の話題は中々耳に届かなくなりました。

 これからはコロナによって加速しつつあるウエブ会議のような手法が主流になるようで、人間同士の顔と顔を突き合わせたコミュニケーションを大切にしてきた私たちのような古い人間は、ついて行くことすらできなくなるようです。またここに来て平成の大合併以前の町や村でやっていたことが、合併後の大きくなった自治体方針に馴染めず、火を消そうとしていることを残念に思っています。

 その一つはわが町の中心施設であるシーサイド公園の管理のために作った第三セクターです。残念ながら競争入札で他社に遅れを取り、来年3月で25年続いた管理業務を終えますが、願いもむなしく解散の方向に進んでいるようです。また新聞報道によると隣の旧中山町では、鹿牧場の長期的な見通しが立たず、40頭の鹿は身売りされ、牧場は閉鎖されるようです。それぞれその町の命運をかけて取り組んできたことだけに、効果効率の名のもとに切り捨てられる運命をどう見ればいいのか・・・・。

 鹿の記事を書いた新聞記者が取材最前線というコラムで、「数値ではない評価」について私たちの心を代弁するような記事を書いていました。16年前対等合併した中山町も双海町も、激しい過疎と高齢化と少子化が進み、中心市街地の旧伊予市からするとお荷物的な感じがするかも知れませんが、「頑張る住民を支援」するような行政を望みたいものです。

「コロナ禍で 手元に届く 情報が 徐々に少なく なりつつあって」

「ウエブ会議 出来ない人は 烙印を 時代遅れと 押されてしまい」

「あれもダメ これもダメだと 否定され お先真っ暗 寂しい限り」

「数値では 計れぬ評価 見て欲しい 声なき声が 空しく響く」

[ この記事をシェアする ]