人間牧場

〇9年目を迎えた人間牧場(その②・施設の運営)

 人間牧場が年々充実してくると、マスコミや口コミでその存在を知られるようになり、訪れる人の数も段々増えてきました。極めつけは昨年NHK西日本の旅で全国に紹介されたため、一時は私のスケジュールに支障がでるほどの人気ぶりでしたが、今はそれも落ち着いたものの相変わらずの人気です。人が来れば施設が汚れトイレが満杯になり、電気代も多少跳ね上がります。それらの費用は全て私の財布から出費されます。そんなこともあろうかと当初から考え、著述した本を販売して資金を稼ごうとよからぬ企みをしました。「昇る夕日でまちづくり」は勿論のこと、人間牧場の日常活動を組み合わせた「夕日徒然草」という自著本の出版が当り、5冊出版した「夕日徒然草」の売れ行きも順調で大いに役立っています。
 ただ5年間で5冊の「夕日徒然草」という本を、出版する目論見は達成しましたが、書いた150話を150年生高知県馬路村産魚梁瀬杉の高座で演じる落伍には、即興だけにかなり骨が折れているというのが正直な話です。

 人間牧場で始めた私塾「年輪塾」も清水塾頭、松本小番頭、米湊大番頭、浜田塾生1号の絶大な支援を受け、少しずつ広がっているし、教育委員会と連携した子ども体験塾や、愛媛新聞カルチャースクール「街中の人間牧場移動塾」なども絡んで楽しく運営ができています。
 毎年やって来る愛媛大学農学部スキルアップ講座の受講生や、大学生を相手の講義も順調だし、全国から研修生を受け入れて活動をしています。ただ惜しむらくは人間牧場までの道幅が狭、く大型バスが乗り入れられなかったり、国道から県道・農道・私道を通らなければ来れないため、迎えに出たり送ったりする手間暇が予想以上にかかり、時には来訪者が道に迷ったりするハプニングにも見舞われています。来訪者からは道しるべとなる看板や、駐車場の確保を望む声もありますが、私はそんなことはしたくないと突っぱねて、我流を貫いているし、今後もその方針を変えるつもりはないのです。

地域おこし協力隊の研修
地域おこし協力隊の研修風景

 人間牧場のメイン施設である水平線の家には北に面した板壁一面に5段の大きな書棚を作っています。そこには私がこれまで読んだり集めたりした本や、私がこれまでに書いたブログ記事の綴りが所狭しと並べられ、小さいながら知的空間を演出しています。訪ねてきた人の中にはそれらを手にとって読む人もいますが、私の至福はそれらの本に囲まれ、背もたれ椅子に寝転んで本を読みながら昼寝や瞑想にふけることなので、満足の空間なのです。
 風音や雨音、小鳥のさえずり、漁船のエンジン音、時折下を通る気動車の汽笛音に加え、茫洋と広がる瀬戸内海の海や、満点に星をちりばめた夜空、西の空を茜に染める夕日など、人間性を回復するエキスが一杯詰まっています。
 昨日は夕方からそんな空間で、地域おこし協力隊の3人のメンバーと、松本さん、赤石さん、久保さんたち6人がやって来ました。研修を兼ねているため私のレクチャーと議論を2時間ばかりした後、持ち寄った美味しい春の料理を食べながら、一夜泊まりの合宿研修をやりました。実に楽しく実に充実したひと時でした。

  「楽しいし 新しいこと 目論んで ワイワイガヤガヤ 作戦会議」

  「よそ者と 言われる人が 集まりて まちをどうする 熱心議論」

  「本売りて それを資金に あれやこれ 目下のところ 上手く運営」

  「背もたれの 椅子に寝転び ただ一人 風雨小鳥 声聞きウトウト」

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