人間牧場

〇蜂蜜の商品化

 人間牧場でのアウトドア学習プログラムには、人間牧場の農場で育った農産物を使うことが大事と考え、梅・スモモ・ブルーべりー・フキ・サツマイモ・コンニャクイモ・野草、日本ミツバチ蜂蜜等を利用して様々な物を作ってきました。既に梅干しと梅酒はその域に達し、スモモもブルーベリーも生食やジャムを作り、フキも佃煮にして結構楽しんで、何とか四季毎のプログラムが軌道に乗りつつあります。ただサツマイモだけは思わぬイノシシの被害にあって、発展途上といったところだし、イノシシがその灰汁どさから、見向きもしないコンニャクに至っては、茎の太り具合から考えれば、芋は太っていると思われるものの、まだ一度もそのプログラムを実施していないのです。これら全ての成果物は只今のところ、参加者や人間牧場来訪者へのお裾分けに留まっていますが、人間牧場の維持管理のサポートしてくれている長男息子は、これらを製品から商品へワンランクアップする目論見をしているようです。

 そのひとつが蜂蜜です。日本ミツバチの養蜂は息子の発案で始めましたが、巣箱を構えたり設置したり、その世話は言い出しっぺなのにまったく関わらず、今のところは師匠である井上登さんの絶大なる協力を得て、私が全てを引き受けていますが、私の目論見どおり1年で1升、2年で2升~5年で5升の目標を達成し始めると、がぜん収穫した蜂蜜の商品化に向けて研究するようになり、さも自分が収穫したような顔をして、糖度計を買ってまるで科学者のように水分量を飛ばして、糖度を80パーセント以上にしたり、漉し器で漉して純度を高めたり、蜂蜜を採集してから殆んど毎日、仕事から帰るとその作業を楽しそうにゴソゴソとやっているのです。
 日本ミツバチの生態を書き記した本を読んだり、インターネットで知識を吸収したり、また蜂蜜を詰める小瓶・中瓶までネット通販で購入して、熱湯煮沸するなど準備をしているようです。

ラベルを貼った試作第1号の瓶詰め蜂蜜

 昨日の朝息子が小瓶に詰めた蜂蜜を、「試作第一号完成」と言って私の所へ持って来ました。見ると小瓶には琥珀色の蜂蜜が入り、ゴールドの蓋にはセロファン封印までして、「はちみつ-haney ninngen bokujo-人間牧場」、反対側には友人エリザベスさんのミツバチのコミカルな挿絵が、印刷されて貼ってありました。それを見た妻は、「ここまでしなくても」と開口一番言っていましたが、私は妻の意見に同調しつつも、「さすが設計を仕事にしているだけのことはあるな」と感心したのです。
 若し私が蜂蜜を商品化しようとすれば、もう少し大きな中瓶に採蜜した蜂蜜を、純度や糖度も考えずに入れ、外から読めるような大きな文字で、「人間牧場産・蜂蜜」などと、中身も見えないように貼るだろうな」と少し感心しながら見ました。息子は私のOKのサインが出た商品1号を、早速自分のダイニングにあるわが家の仏壇に供えて、収穫の感謝をしていました。

 今年はお陰様で蜂に刺されることもなく、目標の5年目5升をはるかに超える9升7合の蜂蜜を採蜜し、スズメバチの攻撃にも負けず、4つの巣箱に種蜂を残してシーズンを終えました。そして息子の協力によって採蜜した蜂蜜も製品から商品へワンランク格上げすることもできました。人間牧場の蜂蜜は商品化したからといって売るのが目的ではなく、自家消費と活動消費に重きを置いていますが、こうしてレベルをアップしようとする活動そのもののプロセスが、地域づくりにとってはとても大切なことだと実感しました。
 先日も人間牧場で開かれたふるさと子ども体験塾で、野草グランプリの賞品として子どもたちに差し上げたりしましたが、商品が出来上がったらお世話になった人たちに、一瓶づつでもお裾分けをして、収穫の喜びを分かち合いたいと思っています。

  「採蜜を した蜂蜜を わが息子 純度高めて 商品作る」

  「蜂蜜を 小瓶に詰めて ラベル貼り お洒落に作る 息子中々」

  「瓶詰めを した蜂蜜を 仏壇に 供え収穫 感謝の祈り」

  「何につけ レベルアップで 完結を 目指す活動 大事にせねば」

 

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