shin-1さんの日記

○山菜のツワブキを食べる

 野山の木々は一見冬の装いですが、よく目を凝らしてみるとそこここに春の気配が漂っています。昨日人間牧場で一足早い春を見つけました。ツワブキです。人間牧場には草刈り作業の折、刈り残したツワブキがこの3年間で結構増えてきました。目的はツワブキを増やして、春の時期にツワブキを食べようという試みなのです。双海町は海沿いに面しているためツワブキが沢山自生しています。そのため春になるとこのツワブキを求めて人がやってきます。野生で自生しているため普通は勝手に取るのですが、最近ツワブキを自家用や出荷用に家の畑に植えているものもあるのに、取る人にとっては見分けがつかないため、植えたものまで手を出すのです。そのため時にはトラブルになったこともあるようですが、くれぐれもご用心です。

 これから春になると蕨やぜんまい、ウド、フキ、タケノコ、タラの芽など山菜がどっさり出回りますが、ツワブキも山菜ではかなりいける方だと思います。

若松進一ブログ (三年前、ロケ風呂前に植えたツワブキがこんなに大きくなりました)

 ツワブキは写真のように年中青々とした丸い葉っぱをしています。この葉っぱや茎は前の年のもので、この葉っぱや茎の間から綿帽子をかぶったようなツワブキの赤ちゃんが春になると芽を出します。それらは春の柔らかな日差しを浴びてだんだん大きくなり、食用に適するように成長するのです。

 親株が元気だと出るツワブキの芽も大きいのですが、痩せた土地のツワブキは芽が出ても細く食用になは心もとないのです。抜き取ったツワブキは家に持ち帰り、皮をはぐのですがこれがまた一苦労なのです。ツワブキには赤系と白系があって、どうやら赤系の方が美味しいような感じがします。皮のはぎやすいのは白系で中々上手くいかないものです。

若松進一ブログ (春の匂いが感じられるツワブキの茎)

 昨日ちょっとした時間にこれだけのツワブキを収穫しました。家に持って帰り三崎町へ行く時間まで寸暇を惜しんでツワブキの皮をむきました。ツワブキはあくが強いのが特徴で、どこかの誰かに似ています(笑い)。このあくがつくともう手の先や爪までまっ黒になってしまうので、人様の前に出る時は慎まなければなりません。

 あくがつかないようにするためには、薄い医療用の手袋をはめるのが一番なのですが、これが中々手に入らず苦労をしますし、少し作業が進むと破けたりして、結局あくが手袋の中に枚で入り込むのです。その工夫の末に編み出したのが食酢を手につけながらむぐことです。完全にあくがつかないわけではありませんが、これでも随分助かるのです。

若松進一ブログ(あく抜きの出来た美味しそうなツワブキ)

 妻は歯医者さんに勤めていて手先にこんなあくをつける訳にはいかないので、この仕事はもっぱら私の仕事と諦めて、ツワブキ食べたさに仕方なくやっているのです。

 今日の夕食にメバルと一緒に炊いたツワブキの煮物が出てきました。私たち夫婦にとってはこんな春の苦味がたまらなく美味しいと思うのですが、わが家にやってきた娘や息子たちは残念ながら口に合わないようで、食べることもなく帰ってしまいました。もう少しすると人間牧場にも本格的な春が訪れることでしょう。春は何度巡ってきても待ち遠しいものです。


  「ツワブキが 綿帽子顔 のぞかせて 春が来たよと 声をかけたり」

  「厨房に 入らない俺が ツワブキの 皮をむくから 雨が降るかも」

  「ツワブキを メバルとともに 皿に盛り 食卓どこか 春の賑わい」

  「今時の 人はツワブキ 食べれるの? 聞いても箸を つけようともせず」


 

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