shin-1さんの日記

○今が旬のみかんを食べる

 わが家は昔半農半漁といって農業と漁業の兼業でした。兼業といっても漁業が主体で、母が3~4反余りの農地を細々と耕していました。しかしその母が亡くなってからはみかんの果樹園だった農地も荒れるに任せ、みかんは全てを枯らしてしまいました。ミカンを栽培していたころは母の手伝いでよく畑にも出かけてみかんの集出荷をしていましたので、誰からもみかんを頂きませんでしたが、みかんがなくなってからはみかん所だけあって沢山のみかんが届くのです。夏のハウスみかん、秋の極早生から早生、普通温州、春先の雑柑類と、まあみかん類は沢山届いて食べきれないのです。

 朝フルなんて新語を造り、朝は果物だけを食べる健康法を推奨している友人の清水さんや大河内さんの影響もあって、勉めてフルーツを食べるようにしていますが、お腹が空いた朝にフルーツを食べることは実践できず、食後の果物的に食べる妻は、この時期になると果物の食べ過ぎで多少小太り気味になっているようです。私はまだみかんの食べ過ぎが原因まではいかないものの、毎日結構楽しんで食べているのです。

 このころになると、いつもお世話になっている人たちに、地元の農家に頼んで新しい品種であるはるみや清見などを分けていただき宅配便で送るのですが、これが大層喜ばれて嬉しい便りが次々に届いているのです。私たちの地方では何年か前まで「みかんは笑ったらくれる」なんて言われていました。事実役場に勤めていたため町内のあちらこちらに出かけて行くと、「みかんでも持ってお帰り」と気軽にいただいたものでした。今はそんな懐かしい現場での交流はなくなりましたが、それでも私や妻の友人から、相変わらず美味しいみかんがどっさり届いて嬉しい悲鳴を上げているのです。

 しかし、外気温が上がるこのころになると果物の完熟が急速に進み、腐り始めるのです。2~3日箱の中を点検しないと、腐りが出てとなりのみかんにカビが移って行くのです。小まめにチェックして腐ったみかんを取り除くのですが間に合わないのです。市販のみかんが腐らないのは防腐剤を散布しているからだと言われていますが、防腐剤は体にあまり良くないので、腐らない前に食べるよう心掛けているのですが間に合いません。

 私たちが子どもの頃みかんは貴重品でした。立派なみかんは出荷して、自家用はキズものを食べさされました。少し腐りが出たものでも包丁で腐りの部分を取り除き食べさされました。追熟するみかんは腐りかけると糖度が抜群に増して美味しいのです。

 昨日みかん箱の少し腐りが出始めたみかんを切って食べました。妻は「これほどあるのだから、そんな腐ったものを食べなくても」と言いますが、わたしたちの世代にとって、少し腐ったみかんも「勿体ない」という気持ちになるのです。

 春になって裏庭にメジロがたくさんやってきます。今週の終末孫がやってきたら昨年と同じようにみかんを輪切りにして割り箸を刺し、裏庭のシノブの絡まった庭石に刺して、野鳥の観察をしたいと思っています。危害を加えないことが分かっている野鳥は、毎年のようにみかんを啄みに庭にやってきます。みかんを啄む野鳥を孫と一緒に観察するのも楽しいものです。


  「みかん食べ 少し小太り 妻いわく みかんのせいと みかんのせいに」

  「腐りかけ これが美味いと いう私 勿体ないの 時代に育つ」

  「有難や みかんをくれる 人ありて 買うこともなく 一年過ごす」

  「裏庭に みかん輪切りし 割り箸で 突き刺し野鳥 窓越し見つめ」

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