shin-1さんの日記

〇月光とイルミネーション

 世の中は不景気風が吹き荒れているようで、それをマスコミが騒ぎたてるものだから、今年の冬は余計に寒さを感じます。それもそのはず大企業では生き残るためにまず派遣社員の首切りが始まっています。私の親類でも大学院を出て長年派遣社員として都会で働いていた息子さんが派遣打ち切りに合いそうで、こちらへ帰ってくるかも知れないとお母さんから聞かされました。日本国内に派遣社員が始まった頃は、優秀な人材を集めて大企業に頭脳を送り込むといった風潮でしたが、いつの間にか企業の都合に合わせる、つまり景気の良い時には労働力として利用して、景気が悪くなればポイと捨てれるといった、まるで企業の道具のような雰囲気なのです。この問題は景気の良いかなり前から指摘を受けその改善に乗り出していましたが、せっかく作った法律も後追い的な感じが否めず、アメリカから始まった世界的な金融恐慌のあおりで、アメリカがくしゃみをすれば日本が風邪をひくどころの騒ぎではなくなり、肺炎になって死にかけようとさえしているのです。

 私たちには分かりませんが、エコノミストの話によると為替レートで円が1円円高になると数億円の赤字が出る会社もあるのだそうです。特に自動車産業のように海外に依存している自動車産業は1年前の好景気が嘘のような深刻さです。こうした会社は為替レートを100円程度に見込んでいたようですが、90円を割り込んで80円台に突入しました。世界にはセレブというにふさわしいお金持ちが沢山いて、原油が儲かると思えば原油に投資し、為替が儲かると思えば為替に投資し、先物取引でひと儲けしようとたくらんでいるのです。原油も為替も大豆や金もこうした市場原理が働いて社会の経済が成り立っているのですから、これらとは全く無関係な私たち庶民には腹立たしい思いがするし、国家や政治さえもこの流れを止めることができないのです。


 日本では総理が二人も途中で投げ出し、今回の総理も世論調査だと支持率急落のようです。総理の人気投票ともとれる世論調査そのものもある種疑問があります。今の総理が全ていいとは思いませんが、もっと国民が一丸となってよい国を作るために盛りたてるような方法はないものかと思ったりするのです。多分野党が政権を取っても同じような結果になるような気がしてならないのです。巷ではもう水面下で選挙戦が行われていて、選挙の自伝運動と思われるほどのポスターがやたらと貼られ町を美しくするはずの政治が町を汚くして美観を損ねているのです。

 このところ外を歩くと冬の月の明かりが綺麗です。見上げた空にぽっかりと浮かんで光る月光は何とも言えない神秘的なもので神々しささえ感じるのです。あの月は自分で光らず太陽の光を受けて輝くのですが、満月になったり三日月になったりしながら、潮の満ち引きなど地球に影響を及ぼしているのですから不思議な話です。人間も魚もこうした知られざる宇宙の神秘に生かされながら生きているのです。先日鳥取県鳥取市佐治町という山間の小さな天文台で、人間が月に第一歩を記した足跡の写真を見ましたが、それほど進んだように見える科学の世界でも、ニュートンが林檎の落ちるのを見て引力を発見した時代からそんなに進歩しているようには思えないのです。

 昨晩シーサイド公園のイルミネーションを見に行きました。元々は親友の山から桧の木を切り出しイベントホールに飾るくらいの簡単なものでしたが、今は私が始めた頃とは想像もつかないように立派に飾っていて、夜だというのに若いカップルが沢山集まっていました。友人たちが始めた長浜町豊茂のイルミネーションも昨日テレビで紹介されていて、日本中がイルミネーションの光で輝いているのです。古いしきたりや風習は廃れ、正月よりクリスマスを楽しむ国民が増えてきました。「門松もしめ縄もせずに寝正月」なんて川柳もどこか侘しい感じがします。でも思い切って厚着をし、イルミネーションで飾った月光の道を妻と二人誰はばかることもなく腕を組んで歩くのも悪くはないと、しみじみ思いました。私たちはまだ若いのですから?・・・・。


  「正月を 前に契約 打ち切られ さぞ寒かろう 今年の冬は」

  「暗闇に 乗じて夫婦 腕を組み それでもどこか 人目気になる」

  「年金で 暮らす俺達 公務員 だって毎月 給料出るもの」

  「門松も しめ縄もせず 寝正月 これでいい年 なるはずもなし」


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