shin-1さんの日記

○心温まるお接待②

 昨日は朝から一日中雨でした。しかも北海道では満開の桜の木に時ならぬ雪が積もるという気象異変とか、流れ込んだ寒気の影響で四国も肌寒い一日となりました。こんな天気の悪い日の旅は何となく気が滅入るのですが、その気持ちを打ち消すような心温かいもてなしを旅先で受けたのです。

 香川県高松市三谷地区コミュニティ協議会からの講演依頼は、最初愛媛新聞社の浅野さんから舞い込みました。 何でも浅野さんとコミュニティセンター長の溝渕さんが大学時代の同級生らしく、話はトントン拍子に進みました。しかし当日の午前中こちらの予定が入っていて、引き受けるかどうか迷ったものです。でも運良くご前中の会議が先方の都合でキャンセルになったのです。今回私の招聘は、聞くところによるとどうやら、佐々木会長さんが20数年も前、私が社会教育を担当していた折、香川県教育委員会で同じく社会教育を担当していて私を覚えておられたこと、三好事務局長さんが6年前香川県で私の講演を聞いていたこと、などが決め手となったようですが、あれから何年も経っているし、私の進化も見て欲しいと思ったのです。

 コミュニティセンターのスタッフの方々の中には料理が得意な人がいるらしく、昼食はうどんと豚肉の生姜焼き、それに里芋、ソラマメの煮物をいただきました。長旅とはいえないけれど、それでも小腹が空いていた時間だっただけに嬉しいもてなしでした。

(昼食のおかず、これに美味しいうどんがつきました)

 やがて三谷地区の史跡めぐりも終わって一服の時間に関係者による食事を兼ねた親睦会が持たれました。

14~15人の役員さんが参加してくれました。私への質問を中心に地域づくりについて色々な質問が出ました。地域づくりや地域の活性化にとって必要なこと、失敗や反対をどう乗り越えたのか、人の前で話せるようになるためのコツ、参会者の固定化や高齢化、それにリーダーの育成など、多岐にわたっての議論は2時間にも及びましたが、みんな和気藹々の楽しいお喋りでした。

 昼食が終わってまだ間がないというのにその席に運ばれてきたのは、とても素人の料理とは思えないほど素敵な出来栄えのさくら餅とサワラの押し寿司でした。それでもご相伴に預かろうと卑しい根性が見え隠れして、ついつい箸が進んでしまいました。さくら餅もサワラの押し寿司も絶品で、帰り際お土産にまでいただきました。

(ほのかな桜の香りのする甘さを抑えた桜餅)
(三彩を挟み上にはサワラとソラマメ、それに山椒の木の芽が乗せられ、一つ葉が器として使われていました)
(つみれ汁も繊細な味で、手づくりの箸置きにも人を迎える気持ちがよく表現さていました)

 三谷地区のコミュニティ協議会は、全国から視察が訪れるだけあって実によく出来た運営をされていました。それはやはり要となる三好事務局長と溝渕センター長の技量によるもの、そしてスタッフの支援体制によるものに追うところが多いようです。溝渕センター長は社会教育の資格を持った方で、月刊社会教育に掲載されている文章を読む限り社会教育のプロ人です。現代の社会教育は教育委員会が全く無能に等しく、公民館をコミュニティセンターにしようとする行政の動きにまったく反論も出来ないまま、行政のいいなりになっている姿をよく見かけますが、溝渕さんはしたたかにさりげなく、これを逆手に取って生き延びているとお見受けしました。三谷方式とでも呼ぶべき新しいコミュニティ活動は、社会教育関係者も見習って欲しいものです。失礼な言い方かもしれませんが女性ながら久しぶりに、そして嘱託職員ながらいい人に出会いました。

 日本全国の社会教育は今危機に貧しています。公教育の場であるのに、指定管理者制度などを闇雲に取り入れ、安上がりな社会教育をやろうとしています。これは合併によって自民党員が減少し自民党が消え行く運命を辿っているのとよく似ています。行政も福祉と教育を安上がりでお茶を濁すと行政不信というしっぺ返しを受けるのです。選挙の投票率が下がって50パーセント以下なんて出来事はまさにその予兆でしょう。特に教育にはもっと責任を果たさないと大変な社会になると予言せざるを得ない状況なのです。

 それにして久しぶりにほのぼのとした集団に出会いました。

  「美味しいと 言う言葉より うまいねえ 手づくり料理 全て絶品」

  「箸置きの 一つ一つに 気を配る も少し早く 出会っていたなら?」

  「どうしたら 話が上手く なるかしら そんな質問 口下手俺には」

  「日本には まだまだ美味い 物ありて 金を出さずも 真心添える」 


 

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