shin-1さんの日記

○草刈と芋植え準備

 人間牧場に初夏がやって来て、今日などは戸外にいると汗ばむほどの陽気です。今日は人間牧場の草刈をしようと、妻に弁当を作ってもらい早朝7時半に一人で家を出ました。国道から農道へ入ると、周りの景色は眩しいほどの緑色に彩られ、山が目の前に迫ってきて、思わず深呼吸をしたくなるような雰囲気です。遠くではビワの実を狙って暗躍するカラスからビワを守ろうとガス爆発の音がけたたましくこだまして、時折ハッとしたりしますが、慣れてくるとそんな音も草刈機の音にかき消されて感じなくなるのですから不思議なものです。今日の草刈は一番下の梅林から始める事にしました。一番草を刈った4月21日にはまだ小さかった梅の実も、約1ヶ月でかなり大きくなり、昨年の経験だと6月2日に収穫しており、後2週間もすれば収穫できそうです。梅の実は既に生理落下が始まって、未成熟な実が梅の木の下に無数に転がっていました。この現象は自然摘果のようなもので、落ちずに残った実に養分が貯えられて大きくなるのです。

 梅の木の下草を刈っていると義兄がやって来ました。今朝人間牧場に着いた折、かねがね一度は人間牧場へ来たいといっていた義兄夫婦に「今日なら人間牧場にいるので上がって来ないか」と誘ったのです。急な思い付きによる案内だったので姉は来ず、義兄一人がやって来ました。義兄はそこら辺をうろうろしながら遠望の素晴らしさ驚いていましたが、やがて蕗を取り始めました。この頃の蕗は大きくなって中には背丈ほどもあり、10本も取れば十分で姉への土産が出来たと喜んで帰って行きました。

 今日は火曜日なので下灘漁港の漁船は休漁日なのですが、このところの天気周期が出漁日と合わないため止む無く出漁したようで、漁港は空っぽの状態で、港の中かが広く見えました。

(豆トラで農地を中l耕する木曽さん。額の汗が輝いていました)

 草刈機を使っているとポケットに入れた携帯電話がマナーモードのバイブレーターにしても、発信音が出るようにしていても、草刈機の騒音や激しい労働によって中々気付かないものです。給油のために草刈機を止めた時その確認をするのですが、089-986-1114という着信番号を受信していました。私の携帯は余り機能のないシンプルなものを使っていますので、相手の確認が中々難しく、携帯電話以外だと職場の人を特定できず、「私に電話をかけた人はいませんか」なんて突拍子もない質問を相手にしなければなりません。運良くその人が電話を取ればいいのですが、時には受信後時間が経ったりすると相手も分らず右往左往したりすることも度々です。今日は教育委員会の木曽さんから間近に迫った少年少女おもしろ教室の打ち合わせ電話でした。私は縁あってこの教室の実行委員長を教育長在任中からやっています。多分夢基金からの助成で運営しているので民間代表者が必要なための措置でしょうが、今年から実行委員会を実のあるものにして運営したいという事務局の思惑もあって、盛んに打ち合わせを寄っているのです。芋植えと人間牧場での私の話をセットにした開講式を私と木曽さんが担当しているので、早速その準備をしたいと言うのです。彼は公用車に豆トラと草刈機を積んでやって来ました。農家の長男だけあって手馴れたもので、草刈機を使い豆トラで予定した場所をあっという間に中耕してしまいました。私は3日前に刈った枯れ草を寄せ集めるの精一杯という状態でした。綺麗に耕された農地に一週間後は子どもたちがやって来て芋植えを楽しむことでしょう。


(綺麗に耕された農地。来週は子どもたちの歓声に包まれそうです)

 時刻は4時を回り、妻との約束もあって5時までには下山しなければならないと思って片付けをしている矢先、役場の武田さんと西尾さんが立ち寄り、世間話を30分余りしました。合併後の行政の窮屈さは区長をして感じてはいましたが、旧町出身の彼らにとってもかなりのストレスのようで、積もる話から私の人間牧場に至る人生観まで話は尽きないようでした。

 毎日のように人間牧場を目指してやって来る人が後を断たなくなりました。今のところ私の毎日が忙しく順番待ちだし、こうして臨時的に飛び込みでやって来る人もいます。悩みを持ち、夢を持ち様々な課題を持ってやって来る人たちに出来る私の役割は希望と勇気を与えることでもあるので、その対応は真剣です。中には酒や焼肉目当ての遊び半分でやって来る人もいますし、主人不在を気にせず平気で土足のままウッドデッキで勝手にはしゃいでその痕跡だけ残して帰ってゆく人もいます。役場に勤めていたことを知っているので、この施設は役場の延長でやっているのだろうと勘違いしている人もいます。人間牧場は山岡哲太郎の「この槌は宝打ち出す槌でなし 野良くら者の頭打つ槌」の如き槌の役割も果たさなければなりません。いい槌にならねばと思い戸締りをして人間牧場を後にしました。

  「二番草 綺麗に刈りた 梅林の 木陰腰かけ 遠望楽しむ」

  「イノシシに 食われた芋に 再挑戦 草刈豆トラ 機械農業」

  「卵抱く キジの巣作り 脅かす 近くでケンケン 盛んに鳴きて」

  「合併で 悩み増えたと 頭かく 苦悩ありあり 乗り越えなければ」 

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