shin-1さんの日記

○広島県世羅の町・その②

⑤世羅の町を流れている川は芦田川ですが、何故かこの川は広島県でもワーストを記録する川だそうです。こんな田舎に流れる川が何故汚いのかはあえて聞かなかったので原因は不明です。最近色々な町へ出かけますが、環境問題への関心は高く、海や皮を美しくしようという動きが活発で、既にその成果が報告されています。川は川上と川下の協力なしには美しくなりません。川下が川上の、川上が川下の悪口を言い合っている間は多分川は下水の延長になってしまうでしょう。

 芦田川の土手には沢山の桜が植えられていました。春の頃に見事に咲いた桜の並木を見に行きたいものです。芦田川の両岸に植えられている桜を愛でる手段として、満開の3日間だけでも歩行者天国にして筵やゴザを敷いて花見の宴を催したいものです。

⑥三郎丸のホタルの里の予定地を見学しました。残念ながら川は二方がコンクリートブロックになっていましたが、川には中洲もあって、ホタル保護活動は可能ではないかと思いました。川に架かった橋の名前は何ともロマンチックな夕霧橋だそうです。私の町でも20年間かかってやっと満足のいくホタルが飛び交い、心を一つにしたホタル祭りが開かれるようになったし、環境庁ふるさと生きものの里百選にも選ばれました。自然を相手の運動や活動は今日や明日結果が出ないジレンマがありますが、未来に生きる子どもたちのためにもホタルを復活させて欲しいものです。兼丸さんの炭焼きも芦田川の浄化も基本的にはホタルを飛ばせる運動とリンクするものだという認識を持って欲しいものです。

⑦町内には梨やブドウやリンゴなどの果物をアピールするフルーツロードがあり、いたるところに特産品販売所がありましたが、シーズンオフということで、どこも散閑としていました。想像するに多分これから春先まで世羅町はこれから長い冬篭りの季節になるのでしょうが、冬に人を来させるアイディアが欲しいと思いました。私の町は海抜ゼロメートルの温暖な特長を生かして水仙と菜の花で、冬の何にもない季節に沢山の人が訪れるようにしました。アイディア次第で人を呼び込むことは出来るのです。一工夫が必要でしょう。

⑧せら夢公園に立ち寄りました。何年か前西大田に講演に行った時、役場産業課の馬場さんに案内されてその予定地を見学に行った記憶が甦りました。馬場さんの夢が叶って夢公園は素敵に出来上がっていましたし、馬場さんも役場を退職してワイナリーの施設長になっていました。久しぶりの出会いはとても嬉しく思いましたが、あの当時あった赤松などの自生樹は既になく、ブルで押されて一面が平面化されていました。木陰がない公園はシーズンにやって来た人にとって安らげないのが少し残念でした。人間はどうしてこうも無駄なことをするのでしょう。折角生えていた木々を切ってしまって、また木を植えるために相当なお金をつぎ込みのですから・・・。「ふるさとのこの松切るな竹切るな」は正岡子規の句です。

それでもワインも美味しく出来ていたし、将来が楽しみです。

⑨残念ながらシーズンオフだったため、自慢の花は見ることが出来ませんでしたが、町内の農園ではチューリップやユリなど様々な花を咲かせて観光客を呼び込んでいる姿が町のパンフレットから読み取れました。この町の人たちは梨やブドウなどや花で金儲けは実に上手くやって経済効果を上げています。それは素晴らしいことですが、まちづくりの視点からいうと、自分を囲い込み過ぎてそれぞれが点でしかないのです。点を線で結び面にしていかなければ大きな成果は望めません、点の線化、面化が実はまちづくりなのです。そのことをしっかり考えないと行政や住民の力が得られないことも忘れてはなりません。

⑩最後に日本一の夢吊橋へ行きました。宮崎県綾町のつり橋や徳島県祖谷の吊橋など、今までにも全国いたるところで吊橋を見てきましたが、この橋はどこにもないような吊りロープのない吊り橋でした。珍しい工法でしょが、揺れない橋だけに恐怖感も感じない橋でした。出来たときは話題になったそうですが今は訪れる人もまばらで、山間にひっそりという感じでした。若者向きの物語を作って利用の仕方を考えれば面白い素材です。一休さんのとんちが必要なのかも知れません。

 自治振興協議会の皆さんは中々熱心で、平日にもかかわらず殆どの人が地区めぐりに参加し、ホテルで開いた夜の交流会も多いに盛り上がりました。やはり山間地の人は飲みニュケーションが必要なようです。交流会ですっかり打ち解けて、海に憧れる人だけに私の町とも交流が始まりそうな予感がしました。


 明くる日の講演会はほぼ満員で、甲山の田坂さんもわざわざ手土産を持って駆けつけてくれました。そういえば旧友田中一裕さんも世羅だったと、帰ってから思い出しました。失礼しました。

 それにしても世羅町はいい町です。いい素材があり過ぎて困るほどでした。

  「この町を あなただったら どうすると 言えといわれて 言いたい放題」

  「ワーストと 言われて悲し 芦田川 桜咲いても 川面さびしや」

  「ほたる飛ぶ 夕霧橋の たもとにて 愛をささやく そんなドラマが」

  「こんなにも 集まる講演 嬉しいね ふるさと思う 人の力だ」

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