shin-1さんの日記

○西土佐夏の終わり・口屋内地区(20-12)

 昨日までの3日間韓国旅行で日本を脱出していたため、時差ぼけはないのですが旅行を終えた安心感と開放感から何処となく気だるさが残っているもののそうもいっておられず、日本銀行松山支店での会議を午前中で終え12回目の西土佐へ向かいました。夏といっても6・7月の夏に向かう迫力ある時期と違い、8月末の夏は秋の気配が漂って、陽足も少し長くなった感じがします。

車窓から眺める田んぼでは既に早い稲刈りが始まっており、リュウゼツランのオレンジ色の花や沿道に咲く百日紅の花が行く夏を惜しむように咲いていました。

 坂井伸美さんの経営する彩花で一服し四方山話に花を咲かせた後、四万十川の風情を確かめるために四万十大橋を渡ってカヌー館まで行き、橋の下にあるキャンプ場まで下りて行きました。夏休み最後の日曜日も昨日で終わったというのに、親の仕事の都合でしょうか家族連れでキャンプを楽しむ県外ナンバーの車が何台も止まって、傍では幾つかのテントで早くも夕食が始まっていました。横目で見ると相変わらず焼肉とビールで盛り上がってる人たちもいて、アウトドアーといいながら日本のそれは外国と違って屋外で焼肉と酒を楽しんでいるだけだなと思いましたが、人それぞれに楽しみ方があるので異論を挟むこともなくそそくさと立ち去ってトイレへ向かいました。傍の東屋に陣取った一団がここでも何やら焼肉を始める準備をしているようでした。見ると地元のおじいちゃんやおばあちゃんのようでした。「ほう、おじいちゃんやおばあちゃんが焼肉とは珍しい」と思った時、おじいちゃんとおばあちゃんが「夕日の若松先生ー」と大きな声で呼んでいるのです。後ろを振り向きましたがどうも私のことのようなのです。その二人は江川崎の講演会場に来ていた見覚えのある顔だと直感しました。聞くと今日は社会福祉協議会主催の「男の料理教室」があったらしく、「何で男の料理教室に美人の娘さんが集まるの」と爆笑を誘いました。すかさずあるおじいちゃんが「そりゃあおららに魅力があるきん娘が寄ってくるのよ」と一本取られてしまいました。参った参ったです。「あんたの話はとてもよかったと皆の評判じゃ」と持ち上げてくれました。「あの時吹いたハーモニカは心洗われるようでした。もう一度あのハーモニカの音色が聴きたい」と言うのです。私はわざわざ車まで引き返しカバンの中のハーモニカを取り出し時間を気にしながら戻ってきました。「夕焼け小焼け」「ふるさと」「南国土佐を後にして」を吹くと何と大合唱が始まりました。傍のキャンパーたちもいきなり起こったハリケーンに何ごとかと目をパチクリしていました。リクエストは主に軍歌やナツメロでしたが無難にこなしハスイモと鮎セゴシの酢物をいただいて再会を約束して分かれました。

 途中トンボを竿で追いかける一人の少年に出会いました。草むらを無心に走り回る姿は何とも長閑で「子どもっていいなあ」としばらくその子どもとお話していると、「若松さんじゃないですか」と再びのお声掛かりです。宇和島市嘉島の親子がキャンプに来ていました。私も驚きましたがもっと驚いたのは相手の方でした。まさかこんな場所で私を発見するなんて思ってもみなかったようです。宇和島市嘉島には宮本正勝さんご夫妻や知人友人も多く度々島を訪れているので、奇遇でした。

 カヌー館の上の道路から再び手を振りあって分かれましたが、明日はカヌーに乗るのだと張り切っていました。

 この夜の集会は口屋内です。二十年も通っている舟母という民宿があります。民宿のおばちゃんは高知県の名物女で橋本知事ともじっ魂の間柄で知事さんも時々やって来るそうです。この日はわざわざ私と中脇さん、藤倉さんのために心からなる手料理を作って待ってくれていました。うなぎといい、カニといい、全てが舌覚えのある美味しい味です。二十年も付き合える人は中々いません。彼女は小町味噌を地元の主婦グループで作り売り出していますが、人気も定着し加工場も軌道に乗っているようです。味噌を作る話を持ちかけられた昔を思い出しましたが、歳は経ているものの高知のはちきんばあちゃんは衰えることもなく元気で活動していました。息子の博君ご夫妻も元気で頑張っているようで、お土産に新米を届けてくれました。

 口屋内の集会所は沈下橋を渡った四万十川の向こうにありました。昔野塾の連中とフロンティア塾の移動塾を行い大酒を飲み大ボラを吹いた懐かしい場所です。区長さんは朝比奈君のお父さんで昔舟母で一緒に酒を飲んだ記憶があります。

 口屋内でも高齢化や健康不安があるようで、朝比奈区長さんもここのところ腰の具合が悪く今日も整体へ行ったと座りにくそうに座って役目を果たしていました。みんな歳をとりみんなやがては死ぬのですが、10年前のようなむらおこしやまちづくりの話はもうこの地区には通じなくなっています。そう肌で感じたものですから、社会の流れや時代の流れに掉さしながら自分がどう生きるかについて少し軸足を変えた話をしました。

 帰り際、「ハガキを必ず出します」という方に名刺を一枚渡し、口屋内の集会所を後にしました。暗い夜道を中脇さんと世情や合併後のまちづくり、役所職員のあり方、農政について意見を交わしながら、どこかボタンの掛け方がずれ始めている今の社会を論じました。同感です。

  「腰伸ばし 俺に魅了が あるからと 爆笑誘う 焼

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“shin-1さんの日記” への1件の返信

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    はじめまして。隠れファンのユカと申します。
    初コメントします。
    夫の転勤で引越ししてやっと落ち着いたところです。
    最近インターネットを始めましたが、本当に便利ですね。
    ブログもお気に入りです。
    もっと早く始めるんだった、って思っています。
    北陸に居ながら新居を探せるんだもの。
    私もブログに挑戦しようかな・・・
    隠れファンのユカでした

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