shin-1さんの日記

○煙仲間は今何処に

 私は公務員駆け出しの頃、教育委員会で公民館を13年間担当しました。将来は日本一の公民館主事になろうと固く心に決めて「朝は朝星夜は夜星、昼は梅干身は日干し」なんて笑い話のような話をしながら仕事に没頭しました。結果的には12年目に全国優良公民館職員の表彰を東京赤坂プリンスホテルで受けましたが、その頃一生涯を公民館に捧げようと仲間数人で心に誓い、煙仲間という主事集団を立ち上げました。私たちの集団に見習えと麦だの海武士だのという集団が県下各地に生まれ、競い合っていい発想の仕事を実践したものです。

 あれから30年余りが経ちましたが、煙仲間に所属していた人たちもそれぞれの職場に赴き、最近は人事異動の末尾退職の欄に寂しそうに名前が載っているのを見かけるのです。みんな最後は課長や課長補佐でなどの管理職的名前をいただいているのですが、あれ程燃えてた仲間も、左程の出世もせず雑踏や時代の流れの中に消え行く運命にあるのだと思うと、何か悲しくも寂しくなるのです。

 昨日お寺さん参りに出かけ、帰りに高速道路のサービスエリアで偶然にもかつての煙仲間の一員に会いました。私「おい元気か。今度退職じゃそうなが」、友「ああやっと退職した」、私「これからどうする」、友「これから少しゆっくりしたい。旅行でもしようと妻と二人でこれから大阪へ行く」、友「ところでお前はどうしてる。時々新聞やテレビで活躍の様子は見ているが」、私「一足先に自由人になって全国を講演行脚で回ったり、大学へ教えに行ってる」、友「お前はいいよな、羨ましい。俺なんか今日から何もすることがない」、私「家は百姓じゃあないのか」、友「畑など全然ないからな」、私「近々集まって一杯飲まないか」、友「そうしよう。じゃあ先を急ぐので元気でな」、なんて月並みな会話をお互いが交わして去って行きました。

 こんな会話をする度に、少々幻滅、少々憂鬱な気持ちになります。これから始まるであろう第二の人生を思うと、まるでマッチの燃えカスのようで寂しくて仕方がありません。燃えカスはくすぶる余力さえも見えないのですから・・・・。彼が言うように私はひょっとしたら幸せ者かも、いや本当に幸せ者かも知れません。こうして団塊の世代といわれる人たちに混じって煙仲間たちもいよいよリタイアです。私は彼らの目標になる必要も彼らを立ち直らせる義務もないのですが、せめてあれ程燃えてた人たちですから、もっと燃えて欲しいと思います。私はかつて青年団活動を終えた若者たちが何もしないことに危機感を募らせ21世紀えひめニューフロンティアグループを立ち上げました。結果は様々な社会への揺さぶりや自立に繋がりました。煙仲間もそうあって欲しいと願っています。人間牧場へおいでよ。素敵な生き方をしている私に出会えるから。

  「明日から 何もすること ないですと 情けないかな 退職の日に」

  「ねえ奥さん あんたのご主人 危ないよ このまま過ごすと 早く冥土イン」

  「あれ程に 夢を語った 仲間たち 定年退職 ゴミのようです」

  「俺を見ろ 生き生き輝き 生きている 人間牧場 人気澤山」

  

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