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◯人事異動の季節です

3月末のこの頃は人事異動の季節です。既に現職を退職して、異動に無縁なサンデー毎日の私には、人事異動など何の関係もありませんが、知人友人のことや、ボランティア活動、社会活動のことを思うと、少し気になる今日この頃で、既に何人かの知人友人から、異動、栄転、退職などの情報が入っています。多分明日には大半の移動内示が出揃うため新聞にその情報が載るものと思われますが、異動する人も残った人も頑張って仕事をして欲しいと願っています。

私は現職の頃、教育委員会から産業課へ、産業課から企画調整室へ、企画調整室から地域振興課へ、地域振興課から特別職の教育長へ、35年間の地方公務員生活で、僅か4回しか異動をしていません。しかもその職場は同一敷地内にあったため、そんなに違う世界ではありませんでした。それでも年度末が来ると期待と不安が交錯して、自分の心の弱さを感じたものでした。

今になって思えば、どこかで人事権を持った誰かが、様々な想いや経歴を勘案して異動人事案を作成していたのでしょうが、教育委員会から産業替え異動を命じられた一枚の辞令に涙したり、課長以外部下のいない地域振興課の課長に抜擢され、大きな夢を膨らませた一枚の異動辞令は思い出に残るものでした。

異動は自分の人生に大きな影響を与えます。それまでの仕事を後任に引き継ぎ、新しい職場で前任者から新しい仕事を引き継がなければなりません。不安と期待の交錯する中で、自分らしさを発揮するのは容易ではありませんが、想いを持てば新しい境地が開けてくるものです。

「この時期は 人事異動の 季節です 栄転・左遷 退職などなど」

「異動案 どこかで誰かが 策を練る 一枚辞令 変る人生」

「この時期が 来る度思う 過去のこと 懐かしきかな あの日あの頃」

 

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〇第19回夕焼け村実施報告書

 昨日双海地区公民館から一冊の報告書が届きました。封を切ると中から綺麗なカラー刷りの夕焼け村実施報告書が出てきました。早いもので19回を重ねていて、私もその殆どに深く関わっているだけに思い入れも一入で、ページをめくりながらつい昨日のことのように振り返りながら読みました。

届いた有掛村の報告書表紙

(報告書の裏表紙)

 担当した隅田公民館主事さんが報告書の中で、「今年も非常に濃い一週間でした。朝の日差しを受けて子どもたちが登校していき姿や、夕方長い坂道を登ってやっとの思いでふれあいの館に帰って来たときの表情、そして慣れない調理に頑張って取り組む様子など、色々な場面を昨日のことのように思い出します。子どもたちは夕焼け村の期間中どれほど成長できたでしょうか。できることが増えた子や、自分が色々できることに気づいた子どもなど様々だと思います。夕焼け村は、うまくできないことに何度も挑戦し、安心して失敗ができる場所でありたちと思います。子どもたちの「できた!」の声と表情はとても嬉しいものでした。~後略」と述懐していました。

一週間、心血を注いで共同生活を共にし担当者の喜びの声が文章からリアルに伝わって嬉しい限りです。子どもを送り出した家族、一週間食事の世話をしてもらったボランティアの皆さん、陰陽にサポートしてくれた各学校、そして指導してくれた大学生やジュニアリーダーの皆さんの支えが大きな力となりました。

 来年度もみんなの知恵を出し合って、合併前の双海町時代から受け継いでいる伝統の夕焼け村で、この町に住む子どもたちをしっかり育てたいと思っています。来年度はいよいよ20周年の節目です。ワクワク・ドキドキ・ジ~ンとするような、どんなドラマが生まれることでしょう。

「一冊の 夕焼け村の 報告書 子ども活き活き ワクワク・ジ~ン」

「夕日見る 子どもの写真 シルエット 双海いい町 みんなで実感」

「恒例の 通学合宿 20年 続けることの 大事さ思う」

「子どもらに ふるさと教育 誰がする 小さな力 私にだって」

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〇今年もツバメがやって来た

 昨日の昼頃、外出先から自宅に帰ると、車庫の中へ勢いよく鳥が一羽飛び込んで来ました。よーく見るとツバメでした。昨日は彼岸の入りなので、もうそんな時期かと春の来たことを実感して嬉しくなりましたが、どうやらこのツバメは斥候のようで、古いツバメの巣の辺りを見届けた後、足早に何処かへ飛び去りました。

 聞くところによるとツバメは冬越しのため昨年の秋彼岸の頃、南の方へ旅立ちますが、どこら辺りまで飛んで、どの辺りで過ごしたのかは知る由もありませんが、毎年こうして古巣に帰って来る動物の本能的行動は、凄いものだと感心するばかりですが、これからまた半年わが家の車庫は、わがままなツバメに占領されるようです。

ツバメの欠点は糞をどここことなく落とすことです。車庫には私の愛車を置いていますが、屋外に置いている軽四トラックを日常的に使うため、ツバメが落とした糞に1週間も気づかずにいると、糞は固まり中々落ちず、糞害に憤慨とダジャレにもならない被害に遭うのです。

妻は「ツバメが戻ると縁起がいい」と信じ込んでいて、何度か車庫のシャッターを閉めて追い出そうとしたものの、「ツバメの糞は洗えば落ちるのだから」と妻の猛反対にあって、あえなく頓挫してしまいました。「洗えば落ちる」と言う妻は車を洗うこともなく、結局は私の骨折り損になるのです。まあそんなに目くじらを立てて妻と反目することもないので、今年も諦めの心境で、ツバメに「お帰りなさい」と言葉をかけてやりました。

「彼岸入り 車庫にツバメが 飛び込んで 春が来たよと 言ってるようだ」

「このツバメ どこでどうして 冬越した? 今年もわが家 選んで帰る」

「車庫愛車 これから半年 糞害に 会わねばならぬ 憤慨しつつも」

「ツバメの巣 中古住宅 土運び 修理おさおさ 子育てまでに」

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〇GNPとGNH

 最近は横文字が日常的に使われるため、聞いても分からないまま分かったようなふりをしてやり過ごしていることが多いようです。GNP(国民総生産)とGDP(国内総生産)と聞いても、どう違うのかさえ説明できぬ愚かさです。辞書で調べれば分かるのでしょうが、今は優れもののネットで調べれば、GDPが国民総生産から一年間の中間生産物の額を引いたものだと分かりますが、「じゃあ~」と更に深い意味を追及されると「●✖÷?・・・・」で諦めてしまうのです。

 最近GNHなる横文字が何かと話題になっています。人口僅か64万人のブータン国首相が国際会議で演説してから、GNHという言葉はすっかり有名になりました。「国民総幸福量」と訳しますが、GNPやGDPがその国の経済的豊かさを表す経済的指標であるのに対し、GNHは心の豊かさを表すのに使う指標なのです。日本はGNP世界第二位の経済大国にまでなりましたが、経済的に豊かになってもなお物質的欲が強く、児童虐待や事件事故など様々な問題が表面化しています。

平成になって早くも30年が経ちました。昭和天皇の大位を皇太子が継承することから、平成もあと僅かで終わりですが、多発する自然災害などを自助・共助で乗り越えながら、GNHの豊かな国になって欲しいと願っています。GNHには①精神的な幸せ、②健康、③時間の使い方、④教育、⑤文化の多様性、⑥ガバナンスの質、⑦地域コミュニティーの活力、⑧環境の多様性、⑨生活水準という9つの指標があるようです。

①精神的な幸せ(生活満足度・ポジティブな感情・ネガティブな感情・精神性)
②健康(自己健康認識・健康な生活・身体・精神の不自由)
③時間の使い方(仕事・睡眠)
④教育(識字・学校教育・一般教養・価値観)
⑤文化の多様性(手仕事の技術・文化的行事への参加・母国語の使用・伝統的な作法)
⑥ガバナンスの質(政治参加・行政サービス・政府の遂行能力・基本的権利)
⑦地域コミュニティの活力(寄付=時間とお金・安全・コミュニティのつながり・家族)
⑧環境の多様性(野生動物被害・都市問題・環境に対する責任・環境に関する問題)
⑨生活水準(所得・資産・住まい)

「GNP 追い求めたが 豊かさの 裏に隠れた GNH疎か」

「これからは GNHが大事だと ブータン首相 日本に向けて」

「平成が 間もなく終わる この時期に 深く反省 よい国目指そう」

「まず自分 そこから始める 第一歩 9つ指標 納得しつつ」

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〇土砂災害警戒区域の説明会

 一昨日の午後7時から市役所地域事務所の3階で、県と市による土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域の指定についての説明会があり出かけました。土砂災害については度重なる自然災害発生に心を痛めているため関心も高く、予想以上の人が集まっていました。

説明会
配布された資料

愛媛県や伊予市の担当者から土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等の指定について、スライドを見せながら説明がありましたが、関心は同時に配られた自分の家の周辺の区域指定のことのようで、少し分厚い防災マップから始まる地図をめくりながら、土石流や急傾斜地の崩壊の順に地図と航空写真で示された、イエローゾーン、レッドゾーンを目で追いました。

わが家も裏山が急傾斜地で、イエローゾーンに敷地の殆どが入っていて、レッドゾーンもすぐ近くまで迫っています。これまで水害に遭って2度も土砂崩れを起こし、砂防擁壁工事もしているので、それ相応の覚悟はしているつもりですが、改めて自分の家の危険度を感じました。

 区域に指定されると、様々な制限が付きまとうため、不動産としての価値は下がりますが、参加者の何人から懸念の意見や資産税への優遇を求める声は当然のことでしょうが、これも仕方がないことなので、 価値の最大は人命であることを思えば、指定を受けてしっかりと備えをしなければなりません。

 帰宅して妻や息子に資料を見せながら、わが家の置かれている危険度を話し、これから雨が降る度、台風が来る度しっかりと備えようと話をしました。地震など予測不可能な災害は仕方がありませんが、自然災害は備えをしたり避難をすれば人災だけは免れることができるのだと、しっかり心に刻み指定を受け入れることにしました。

「説明会 土砂災害の 危険性 イエローゾーン スッポリわが家」

「指定され 資産の価値は 下がるけど 人命価値が 一番だから」

「わが資産 引き継ぐ息子に 資料見せ 説明しつつ 備えするよう」

「改めて 災害多い 日本に 住んでいることを 実感しつつ」

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〇美しく老いる10訓(その6)

⑥老いていちばん幸せなことは健康で三度の飯の美味いことである

 私たち夫婦には子どもが4人いますが、大きくなってそれぞれ独立しています。今は息子家族4人と同じ屋根の下で暮らしているものの、同居する時年齢的に食の好みの違う息子たちと、食べることで気を使ったりいさかいのないよう、私たちが使っていた広いダイニングキッチンをリフォームして明け渡し、私たちは祖母が使っていた小さなダイニングキッチンを改造して、毎日の食事は私たち夫婦2人です。

 ゆえに、朝はリンキャベ若しくはスムージーとパン、昼と夜はご飯と妻手作りのおかずを食べています。私は外食と肉が余り好きでないため、副食のおかずは家の横の家庭菜園で、私が無農薬で作った野菜と魚を中心に献立してもらい、何不自由なく3度3度の食事を、ダイニングから見える外庭の景色を眺めながら、毎日二人で楽しんでいます。妻は料理が上手で、電子レンジでチンするような料理は殆どなく、だからでしょうか、二人ともすこぶる体調もよく毎日を過ごしています。

健康の源は快食・快眠・快便と言われていますが、とりわけ食事は大事で、台所の椅子に座れば美味しい三度の飯にありつける幸せを噛み締めていますが、こんなありふれた幸せがこれからもず~っと続くことを願っています。時々妻が作った料理が息子家族へ、若嫁が作った料理が私たち夫婦へ、まるで隣近所のようにお裾分けされるのも楽しみで、若嫁も毎日得意な手料理で家族の健康を守っています。

畑で採れた野菜も、漁師さんから時折いただくお魚も、若嫁に分配してやりますが、先日磯から採集して茹でたヒジキも、妻は煮物に、若嫁は玉ネギのスライスと和えてドレッシングでサラダ風にして物々交換し、その味を楽しみました。今朝も間もなく妻が「ご飯ですよ~」と、私の書斎へ呼びにやって来ます。今朝はいただいたみかんを生ジュースに絞り、呑みながらパンを食べます。勿論リンゴとキャベツ、通称リンキャベを添えて・・・・・。

「老いてなお 幸せなこと 三度飯 平凡ながら これが一番」

「健康の 源食事 妻作る 準備片付け 頭が下がる」

「若嫁と 妻のタッグも 抜群で 時々違う メニュー裾分け」

「何よりも 上手いと褒める 一言が 妻のやる気を 奮い立たせる」

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〇最近YouTubeに凝っています

 私は学校でパソコンを習っていない世代です。また現役時代はそれほどパソコンを使わなくても、仕事に差し支えのない程度の職場環境でした。ゆえにパソコンの使い方は全くド素人で、時々パソコンがぐずったり故障したりするとイライラが募り、お手上げ状態となって娘婿や息子の手助けがなければ、前に進むことができません。「だからパソコンは嫌いだ!!」といくら八つ当たりしても何の解決にもならないので、仕方なく拝み倒して娘婿や息子に手助けをしてもらい、何とかその場をしのいでいます。

パソコンの知らないキーを押すと故障の原因になるので、極力文章を書く、ヤフーJapanで調べ物をする、ブログ記事を書く、メールの発受信をするといった基礎的なことしか殆どしませんが、最近欲を出して、手持ちの写真を使ってスライドショーを作ったり、YouTubeで色々なジャンルの映像や音楽を見聴きすることを覚え、少し息抜きのつもりで楽しんでいます。若者はスマホにイヤホンを差し込んで歩きながら音楽を聴いているようですが、私は未だに携帯電話はガラケーだし、タブレットもメールの発受信と旅先でブログを書いたり、ブログを書くための写真を内蔵カメラで撮る程度なのです。

YouTubeで聴く歌も昭和19年生まれらしく、ド演歌や懐メロ、唱歌など、自分で吹けるハーモニカの曲を中心に聞いていますが、いやはや楽しいものです。私の友人には何人もカラオケが趣味の人がいます。週に何度か近くのカラオケ店に出かけ歌っているようですが、今日も隣のカラオケ好きなおじさんが、歌っていると思われるマイクを通した歌声が、どこからともなく聞こえてきました。あんなに上手く歌えたら楽しいだろうなあと思いつつ若かった頃、出かけた馴染みの飲み屋でマイクを持って歌い、見ず知らずのお客さんが全員拍手をしてくれ、有頂天になったあの頃が懐かしく思い出されました。

「何となく 最近パソコン YouTubu 歌や映像 楽しんでます」

「パソコンを 習っていない 世代にて 独学ゆえに 中々使えず」

「パソコンが 私に替わり 仕事する 衰え記憶 完全フォロー」

「この歳に なっても知らない ことばかり 知らないままで 終わりそうだと」

 

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〇国立大洲青少年交流の家運営委員会

 昨日は時ならぬ寒気の南下で西高東低の気圧配置となり、「春のひして(一日)西」(どんなに強い北西の風が吹いても一日で収まり明くる日は凪ぐ)と言われる、北西の風が吹き荒れました。海も白波が立ち漁船も沖に出れず休漁でした。海岸国道へは久しぶりに波しぶきが上がっていましたが、国立大洲青少年交流の家の出席するため、午前11時前に家を出て大洲へ向かうため海岸国道を走りました。大学生が春休みとあって寒さの中でも閏住の菜の花畑や下灘駅、インスタ映えのする下灘造船所近くには沢山の若者がたむろしていました。

到着後所長室にて打ち合わせを行い、12時からレストランで施設を利用している若者たちの列に加わり、昼食バイキングをいただきました。いつものことながら美味しい料理を所長さんたち職員と談笑しながら、腹いっぱい食べました。若い頃から全国の青年の家(現青少年の家)を渡り歩いていますが、料理に関してはかなり変化していて、とても美味しくいただきました。その後休憩した後、別棟で午後1時30分から運営委員会は始まりました。

 私はこの施設を誘致した頃、愛媛県青年団連合会の会長をしていて、施設の誘致運動に深く関わったこともあり、あれから50年半世紀も経っているというのに、相変わらず求めに応じ運営委員をしていますが、昨期に引き続き運営委員長に指名され、断るさしたる理由もなく、また断る勇気もなく満場一致で就任することとなり、早速議長席について約2時間ほどの運営委員会を取り仕切り、皆さんの意見を引き出しながら3時30分に会議を無事終えることができました。

国立大洲青少年交流の家の所長はわが年輪塾の処士でもある眞鍋幸一さんです。眞鍋さんは県議会事務局長を定年退職後、これまでの文部省職員に替わって初の民間人所長としてその任に当たっています。故に年輪塾の塾長である私も及ばずながら、少なからず責任を感じていて、これからも惜しまぬ協力をしなければなりません。13万余りの年間利用者、とりわけ宿泊研修の参加者数をどうすれば増やすことができるか、腕の見せ所といったところです。

「50年 前の若かった ころ誘致 運動躍起 懐かし思い出」

「運営員 推薦受けて 委員長 器じゃないが しっかりサポート」

「所長さん わが年輪塾の 処士ゆえに 筋金入りです 成果上げよう」

「明徳を 明らかにする 藤樹訓 部屋に飾りて 不退転決意」

 

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人間牧場

〇五徳

 昔使っていて今では使わなくなった道具類は沢山あります。金目の物を除けばその殆どは闇から闇へゴミとして棄てられて、「いつの間にか」姿が見えなくなっしまいます。先日隣のおじさんの家の倉庫が古くなったし、おじさんも90歳を超えたので、息子さんが倉庫が壊れる前に整理をしようと頑張っています。私も隣ゆえ見て見ぬ振りもできず、折に触れ再利用できそうなものを処分する手伝いをして、色々な道具類を貰って帰りました。

その様子を見たわが家の同居息子から、「今使わないものを集めると、お父さんが死んだ時、僕が処分に困る」と冗談交じりで言われました。数年前私が毎日書いているブログ記事をプリントアウトして表紙をつけ、毎月一冊作って保存しているのを見て、「お父さんが死んだらそれは紙ごみになるから止めた方がいい」となだめられ、「それもそうだ」と同調しプリントアウトすることを止めました。

立て続けに言われた「お父さんが死んだら」という言葉には実は深い意味があって私の親父、つまり息子にとってはおじいさんが5年前亡くなった時、親父の暮らしていた隠居や倉庫の片付けに、かなりの時間と労力を割いていた私の様子を見ていたからでした。私は親父の遺してくれた細々を、家の横にしつらえている海の資料館海舟館に保存したり掃除をしたりして引き継いでいますが、息子は果たして私と親父2代にわたって集めた民俗資料を、引き継いでくれるかどうか分かりかねています。

一昨日火鉢の五徳を貰って来ました。五徳は火鉢の中の灰に3本の足を埋め込み、炭火の火力でヤカンや釜をでお湯を沸かしたり時は煮炊きをするのですが、五徳とは仁・義・礼・智・信や、温・良・恭・倹・譲、または木・火・土・金・水など五つの徳目なのです。火鉢を見ても「それ何?」と言われ、知っていたり使った経験のある自分が古くなったことを多少恥じらっています。火鉢や五徳の話題が、息子や孫世代に通じないもどかしさを感じています。

「お隣の 倉庫片付け お手伝い 古い火鉢と 五徳いただく」

「お父さん あんたが死んだら 誰がする 一瞬ドッキリ 私のことだ」

「五徳には 五つ徳目 ある話 息子にしたが 軽くいなされ」

「平成が 間もなく終わる わが昭和 ますます遠く 益々古く」

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人間牧場

〇干しシイタケづくり

 一日の最高気温が10度を超え、雨がよく降るようになると、人間牧場や家の裏のホダ場に置いている、植菌しているクヌギの原木からシイタケが沢山生えて、収穫するのが楽しみのひとつになっています。一週間に一・二度見回って大きい物から順次収穫調理して食べますが、残った食べきれない分は隣近所や親類へお裾分けしたり、茎を取りスライスしてサナに干し、干しシイタケを作ります。

保存した干しシイタケ

食物には旨味・甘味・酸味・塩味・苦味の5つがありますが、昆布やトマトに含まれるグルタミン酸、カツオや煮干しに含まれるイノシン酸、シイタケに含まれるグアニル酸などは3大旨味成分と言われていて、日本料理の出汁には欠かせないものです。不思議なことに生シイタケを乾燥するとシイタケに変化が起こり、グアニル酸が生70㎎、干すと1060㎎に増えるのだそうです。

わが家ではしいたけを収穫できる春と秋に干しシイタケを作り、ジップロックのナイロン袋に乾燥剤とともに入れ、ヒジキやワカメ、切り干し大根などとともに保存食として一年を通して使い重宝しています。うどんやそばの出汁は勿論のこと、煮物や巻き寿司などにふんだんに入れてその味を楽しんでいます。シイタケの旨味成分はガン予防やアトピーにも効果があると言われています。しかし原木シイタケの独特な土の匂いが特に子どもに敬遠されたり、嫌な人も多いようです。

 シイタケが生えるこの時期は、足繁く三日にあげずよく雨が降るので、シイタケの乾燥は雨に濡らさないよう特に気を使います。シイタケは水分を多く含んだ林産品なので、出来るだけ早く乾燥するよう、わが家では茎を取り除き、スライスしてカビが来ないようしっかりと乾燥させますが、ヒジキや切り干し大根に、干しシイタケが加わり、わが家の自給率はまた少しアップすることができました。

「この時期に なるとシイタケ 生えて来て あちらこちらに お裾分けする」

「シイタケは 生もよいけど 天日干し 旨味成分 各段向上」

「わが家では ヒジキ・切り干し シイタケと 自給率増え 目標超える」

「食文化 生きるためには 必要と 素朴食べ物 健康第一」

 

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