人間牧場

〇お墓参り

 新春恒例といえば初詣ですが、私たちの地方ではそれとは別で新春早々の1月4日に、お墓参りをする風習があります。お供え用のお餅と干し柿などを細かく切って準備をしました。本当は息子たち家族も一緒にと思いましたが、息子も若嫁も昨日は仕事始めで朝早く出かけたため、少し風邪気味の孫2人に留守番を頼み、少し暖かくして妻と二人で出かけました。まず自分の家のお墓に行き、年末の新しいシキビを挿していた花器に水をつぎ足し、供え物を置いた後線香に火を点けて平安無事を祈りました。

その後同じ墓地内にある姉の家のお墓や、役場在職中お世話になった丸山元町長さんのお墓にお参りして、近況を報告させてもらいました。双海町もご多分に漏れず過疎化や高齢化、少子化が進み、縮む社会は目を覆うばかりですが、嘆いても仕方なく、自分にしかできないまちづくりへの援助をこれからも続けて行きたいと、非力ながら誓いました。お墓参りの途中に北風敏行さん夫婦に出会いました。北風さんは私より年齢が一つ上の先輩ですが、同じ宇和島水産高校漁業科に遊学中、2年間同じ下宿で布団を並べて寝た間柄なのです。この人も青春の思い出です。

下灘の弟の墓地、親類の墓地、妻の実家である八幡浜の墓地と、毎年のように同じ道をたどって足を延ばし、妻の実家にも立ち寄った後正午過ぎに帰宅しました。お墓参りは様々な人間模様を垣間見ることができます。かつては繁栄を極めた家でも、その後の没落でお墓が草に埋もれていたり、お盆やお彼岸さえ訪ねる人もないお墓もあるようです。私たちのような不信心で親不孝息子・嫁ながらも先祖の供養のため、1年に何度かのお墓参りを欠かさない者もいるのですから世の中は分からないものです。これからも生きている限り、先祖あっての自分と心を戒めて、身体の許す限りしっかりとお墓を守って、やがて息子夫婦にバトンタッチしたいと思っています。

「新春は 初詣するが 墓参り する人少ない 世の中理不尽」

 「1月の 4日は必ず 墓参り 先祖の供養 これから先も」

 「繁栄の 証のような ご立派な お墓も今じゃ 草生え寂し」

 「足伸ばし 元町長の 墓参り 残念ながら 成果も出さず」

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