人間牧場

〇ツユクサの花

 昨日菜園の草を引いていると、青味がかった可憐な花を見つけました。野の花には白色や黄色、赤色の花がありますが青い花は少ないようで、草引きの手を休めてついつい見とれてしまいました。その花の名は雑草のツユクサで、畑では根が地中深くはびこるドクダミとともに繁殖力旺盛で、地面を這うように広がり、別の場所に移動して置くと、そこでまた根を出してはびこり始末に負えません。

 

畑の隅で可憐に咲く青いツユクサの花

 それでも露草というその名の通り、秋の朝露をいっぱい吸ってけなげに咲くツユクサの黄色交じりの青い花は、何とも言いようのない気品ある花です。摘み取って一輪挿しに挿して書斎に飾り、柄でもなく風流を楽しみました。畑の隅には秋の七草であるススキ、紫色のクズの花に加え、白いイタドリの花など、その気になって見れば秋にしか味わえない様々な花が、ゆく秋を惜しむように咲いています。

 自由人となっているとはいえ毎日何かと忙しく、背中を押されるようにあくせくと動いていますが、「狭い日本、短い人生、そんなに急いでどこへ行く」と思い始めると、日々の忙しさがなんだか馬鹿馬鹿しく思え、肩の力がスーッと抜けて草花にも心を動かすのです。秋は駆け足、もう二度とこの年の秋は味わえないのですから、持っている五感を働かせて、しっかりと秋を楽しみたいものです。

  「菜園の 隅にひっそり 咲く花は 雑草ですが とても綺麗で」

  「青い花 秋露吸って 名の通り 生き生きひっそり 人知れず咲く」

  「毎日を あくせく過ごす 芸がない 何だか変だ 我に帰りて」

  「花一輪 花瓶に挿して 風流を 顔に似合わぬ 遊び心で」 

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