人間牧場

〇VHSは古くなりにけり

 私は若い頃から公民館活動やまちづくり活動に関わってきたので、新聞・雑誌のような印刷物に掲載されたことや、ラジオ・テレビで紹介されたことが沢山あります。その殆どは忙しさにかまけて、段ボール等に無造作に入れられ倉庫の隅で誇りを被っています。「暇ができたら整理をしよう」と思ってはいるのですが、退職して12年にもなるというのに暇など一向にできず、多分私が死んだら、このままゴミとして処分される運命にあるようです。

弟が保存していたVHSテープ
弟が保存していたVHSテープ
親友から貰ったVHSデッキ
親友から貰ったVHSデッキ

 先日友人が私の所へやって来て、「弟が撮影した今は途絶えている盆踊りのビデオテープが、どこかにないか探して欲しい」と頼まれました。早速町内に住む弟に電話をかけ、ビデオテープを保存しているかどうか、駄目元で聞いてみました。明くる日弟は自分が撮影した盆踊りの古いVHSのテープを持って来てくれました。背表紙には「昭和54年8月20日・盆踊り」と書かれていました。昭和54年といえば今から37年前ですが、ビデオテープは見つかったけれど、VHSテープをテレビに映す機器は残念ながらどこにも見当たらず、多分私の友人の家庭にもないものと思われます。

 ところがところがです。その2日後偶然にも私の親友である清水さんが、頼んだ訳でもないのに、ビデオデッキを私の所へ持って来てくれたのです。何というタイミングの良さでしょう。早速一両日中に友人にビデオテープが見つかったことを知らせたいと思っていますが、必要であればビデオデッキも一緒に貸してあげたいと思っています。それにしても平成になってからだけでも28年が経ちました。あれほど持て囃されたVHSなど使う人は殆どなく、今やDVDが主流の時代になっているのですから、VHS主流の昭和も、勿論昭和19年生まれの私も古くなったものです。

 やっとガラ携が使えるようになったと思えば、今度はそれさえも時代遅れとなって、スマートフォンが主流の世の中になり、5歳の子どもさえ遊び道具に使っているのですから驚きです。情報化が進めば進むほど私たち昭和に生まれた人間は、住み辛くなることは確かです。長生きすることも大事ですが、適当な時に住み辛いこの世におさらばするのも、選択肢の一つかも知れません。嘆かわしい時代に生まれ育ち、生きなければならなくなったものです。

 

  「友人に 頼まれテープ 聞いてみた 弟きっちり 大切保存」

  「つい昨日 ようだと昭和 思うけど 平成だけでも 28年」

  「VHS 今時それすら 見る機器も 見当たらなくて 困ったものです」

  「長生きも 大事だけれど 適当な 時期にこの世に おさらば一考」

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