人間牧場

〇ソプラノ歌手二宮典子ディナーショー

 私にはこれまでの活動で知り合った、色々な知人や友人がいます。画家、建築家、作家、教授・教員、マスコミ記者、公務員、会社員、団体職員、農漁業者、ホテル業、運輸業、飲食業など、手と足の指を足しても数え切れないほどの業種と人数です。中にはいつもテレビに出てくる報道関係のアナウンサーや社長と呼ばれる実業家もいますが、概して私の置かれている立場や仕事の内容がそうするのか、活動的ながら地味な人が多いようです。そんな知人の中で最近頻繁に出会う一人に、ソプラノ歌手の二宮典子さんがいます。彼女に出会ったのはもう20年も前のことですが、お互い違う道を歩んでいたため、出会う機会は偶然的な立ち話程度でした。ところが2年前、私が30年を超えてやっている金融広報アドバイザーのメンバーに彼女が加わって、活動を共にするようになりました。私以外のメンバーも最初は、「えっ、ソプラノ歌手が何で金融広報アドバイザー?」と思ったそうです。

 でも彼女は就任以来、持ち前のパワーでパワフルな活動を展開し、今やアドバイザーの中でも一番活発な人になっているのです。彼女は私たちのような綺麗ごとの金融知識より、むしろ社会の裏側を体験した人にしか語ることができない、時にはハッと気付かされるような話をしてくれるのです。また歌を通して青少年にも近づいて、様々なことができる羨ましい人なのです。
 ある日彼女から、自分のディナーショーに招待するから来ないかと、お誘いがありましたが、あいにくスケジュールが塞がって時機を逸していましたが、その時若し宜しかったら12月5日にどうぞと、再びお誘いがあり、ディナーショーなど行ったことのない私は、興味もあって昨日の夕方、会場となっている全日空ホテルへノコノコ出かけたのです。

二宮典子ディナーショー

開演が午後6時30分からなので、30分前に到着してロビーの椅子に腰掛け待っていると、二百人を超える人が受付に集まり始め、私も招待券の1番と書かれたステージ前の席に案内されました。開演と共に馴れた人たちは円卓に出された食事を食べながら、好みのアルコールを飲みながら1時間近く談笑していました。やがて二宮典子さんのショーが始まりました。パンフレットに書かれた雪が降る、サントワマミー、酔いしれて、恋、五番街のマリーへ、喝采、百万本のバラ、恋心、ホワイトクリスマス、聖夜、夜明けの歌など10曲以上を情感込めて歌い上げました。カクテル光線に浮かび上がったドレス姿の二宮典子さんは、普通出会う時の姿とはまるで別人で、とても素敵でした。

 アンコールにも応えたディナーショーが終ったのは9時近くでした。出口で見送ってくれた二宮典子さんとお礼の言葉を交わし、顔見知りの方とごあいさつをして会場を後にしましたが、いやはや初めてのディナーショーだっただけに、いい体験をしてほのぼのとした気持ちで帰って来ました。
 妻が「ディナーショーはどうだった?」と聞くので、「とても良かった」と模様を話してやりました。招待券ながらチケットに書かれていた1万5千円という金額を逆算し、歌手や5人の生バンド、料理、会場費等を考えれば、決して高くないと思った次第です。今回も、「ああ私のような田舎者で庶民には、まだまだ知らない世界がある」と実感させられました。

  「ディナーショー 来てと誘われ ノコノコと 出かけてみたが 右往左往す」

  「普通とは まるで別人 目を見張る ドレス姿で ソプラノ歌う」

  「久方に 大勢パーティ 隣席 知らない人と 声を掛け合う」

  「歌を聴き 人生重ね しみじみと 思いに耽り ひと時過ごす」  

[ この記事をシェアする ]