shin-1さんの日記

○富士山

 「人間牧場」に連れて行った孫が双眼鏡を見て、いきなり海の向こうに浮かぶ興々島を指差して「おじいちゃん富士山だ」と言うのです。私は驚きました。だって興々島を伊予の小富士と呼ぶのを知っている人も現代人では殆どいないのに、孫が知っているのですから・・・・・・。

 孫の富士山の話は飛行機で東京へ行ったとき、飛行機の窓から眼下に富士山が綺麗に見えるのをお父さんが教えたからだそうです。だから富士山に似た山を見るとどれでも「富士山だ」と騒ぐのだそうです。

 サクラ・フジヤマ・ゲイシャといえば外国人がかつて持った日本のイメージ3だそうですが、外国人がフジヤマに出会ったときの驚嘆は彼らの日本滞在記からもうかがい知ることができます。

 飛行機の中でスカイワードという雑誌を拾い読みしていたら、旅する目で斉藤さんがイザベラ・バードの「日本奥地紀行」という本を紹介していました。この本は「ふと天上を見上げると、思いもかけぬ遠くの空高く、巨大な円錐形の山を見た」という甲板での光景から始まっています。船旅の時代、富士山は東京湾の船上で最初に目にする光景だったらしいのです。

 実は私も43年前にこれと同じような光景を三浦半島の沖から見ていたのです。それは18歳のときでした。南太平洋珊瑚海にマグロを求めた愛媛県立宇和島水産高校の練習船愛媛丸はマグロを腹いっぱい抱え帰国の途についていました。ところが母港でである三浦三崎漁港を前に思わぬ時化に遭い、苦難の末たどり着きかけた朝ぼらけの水平線の彼方に富士山の姿を見たのです。まさにイザベラ・バードの言葉そのままでした。感激の余りに私たち実習生は涙が止まりませんでした。そして日本人としての誇りが蘇ってきたのです。「富士山」と聞いただけで不思議な思いに駆られます。何年か後に青年たちを連れて富士山に登ったときもそうでした。勿論孫が「あっ富士山だ」という声に私の心は43年前へとタイムスリップしていました。

 人は誰でも思い出の彼方に夢のような出来事を隠し持っているものです。私の富士山もそうした思い出の一コマなのです。愛媛丸の沈没という悲しい出来事は記憶に新しい出来事ですが、富士山が愛媛丸と結びつくのは私だけかも知れませんが、いつか孫にこの話を大きくなったら聞かせてやりたいと、イザベラ・バードの記事を読んで懐かしくなりました。

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shin-1さんの日記

○何故パックは安いのか分からない

 私のように一年中全国を旅していると、結構旅上手になって色々と知恵を働かせて旅をします。昨日・今日と二日間熊本へ行ってきました。9月に東京丸の内の東京フォーラムで開催された全国町村監査委員研究大会で記念講演したのが話題になって、是非熊本でも聞きたいという提案で、球磨地方の義会議員さんの研修会に招かれました。普通熊本へは松山ー熊本の空路があるのですが、地図を見ると熊本でありながら宮崎や鹿児島に近いことから鹿児島空港を選びました。松山から鹿児島へは僅か一時間、公用車で空港まで迎えに来てもらって、という手順でばっちり、いい講演会が終わり、先ほど帰って来ました。

 霧島や球磨地方では深まり行く晩秋のたたずまいを堪能しながら、昨夜は町村の議会議長さんたちと美味しい球磨焼酎を傾けました。と言っても飲めない私はもっぱら民宿桜の女将さんが作ってくれた美味しいお茶を飲みながら、イノシシ焼肉、鹿刺し、鮎塩焼きなど田舎料理に満腹の腹鼓を打ちました。また水上村の議長さんには焼酎の蔵元とあって、美味しい焼酎や、ウイスキーボンボンならぬ焼酎ボンボンという世にも珍しいチョコレートを食べさせてもらいました。焼酎ブームとあって、飲むほどに酔うほどに盛り上がり、味岡議長さんにはクマ蜂の焼酎付けを味見までさせていただきました。

 湯山という地名にある水上温泉はいい湯で、私は妻に電話したら「羨ましい」「お父さん温泉には3回入って帰りなさい」と言われたので美人女将にお願いして朝風呂まで入ってしまいました。また早朝には大石議長さんの焼酎蔵まで案内いただき、コニャックの酒樽に入った幻の焼酎を見せていただき感激しました。お土産の焼酎は親父に飲ませてやりたいと、孝行息子ぶっています。

 ところで、何時も思うのですが、飛行機代とホテル代が一緒になったパックの方が飛行機代単品より何故安いのか、合点がいきません。誰が考えても同じだと思うのですが、まか不思議です。今度も東京へ行くのにパックだと随分お得なようで、妻から「何で」と聞かれても、知恵者の私にも説明ができないのです。

 旅は新しい心の発見があります。今回も様々な発見がありました。36人乗り満席のJAC飛行機は雨模様もあって揺れにゆれましたが、お蔭様で小腹が減りました。今晩の食事が楽しみです。

 「美人湯と言われて温泉入ったけど男のわしにはとんと効かぬわ」

 「猪と鹿を食べたよ馬かったそれもそのはず共食い大馬鹿」

 いい旅でした。

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