人間牧場

〇童心を忘れないDNA

 今年の夏は格別の暑さで、連日の猛暑で熱中症が多発し救急車の出動も記録更新でした。熱中症で亡くなった人も沢山いて、その殆どが冷房があっても使わない、勿体ない精神の高齢者だと聞けば、他人ごとではないと胸が痛みます。察するに国民年金で細々と爪に火を灯すように暮らしている高齢者にとって、冷房を使うと電気代が跳ね上がり生活費を圧迫するため、使いたくても使えないという人も沢山いるようです。

今年は長男息子がカブト虫を空港で無償配布するという、イベントの準備に巻き込まれ、連日人間牧場へ通ってカブト虫の捕獲手伝いを余儀なくされたため、例年にない忙しさでした。いい大人がカブト虫を飼い、しかもそのカブト虫を虫かごに入れて無償配布するなんて、正気とは思えないことだと、最初は呆れてものが言えませんでした。今も多少その疑問は心の奥底に残っていますが、妻が「息子もあなたと一緒でまるで少年のよう」と言うように、私も若い頃見ず知らずの子どもたちを無人島に運び、20年間も活動しているのですから、妻の一言には返す言葉もありません。

昨日、息子は夏休みだったので、自分の子ども2人の自由研究に付き合っていました。3年生の次男は海の生き物調べ、5年生の長男は上灘川の源流を探るだそうで、この2日間私の軽四トラックに乗って3人で出かけたようでした。3人とも水に濡れたり泥んこになって帰ってきましたが、台所の机の上にメモや収集物を広げて、楽しそうにやっていました。発光ダイオードを発明した学者が、ふるさとの展望台に、自分の思いを書いているのを、先日芋づるを取りに行った折、伊方町瀬戸で見つけました。

「童心を忘れたら終わりだと思っている」のその次に、「何でも不思議だなあと感動する心」「何でも見てやろうと思う好奇心」「一体どうなっているんだろうと首を傾げてくなる心」「自分の周りは知らないことだらけだと呆れ返る心」の大切さを述べていました。無人島に夢中になった私、カブト虫を育て空港で無償で配布している息子、海や川を探し回る孫と、わが家の同居3代は取り組こそ違え、「童心」そのものです。今迎え火を焚いてわが家へ帰省している4年前に亡くなった親父も、小さな僅か5トンの漁船で伊豆半島まで出漁しています。どうやら若松家には「童心を忘れない」DNAがあるようです。

「童心を 忘れず今も 生きている 元気の源 どうやらこれだ」

 「わが息子 まるで少年 妻が言う 私も孫も みんな低能」

 「迎え火を 焚いて只今 里帰り してる親父も 同じでした」

 「わが家には 童心忘れぬ DNA 笑って生きよう これから先も」

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