人間牧場

〇シキビとサカキ

 わが家には仏壇と神棚があります。日々の暮らしの中に信仰を取り入れるため、仏壇も神棚もダイニングの一角にあって、それらの世話は代々若嫁の仕事として受け継がれています。長男息子が結婚し同居生活をする際も息子嫁にそのことを話し、妻から嫁へと世代交代しました。若嫁は朝仏壇にお茶を供え線香に火をつけ、「ちーん」と金を鳴らしながら手を合わせ、夕方はご飯を神仏に供えています。孫たちにはまだその意味は分からないようですが、親のしぐさを見て何かにつけ手を合わせたり、お願い事をしているようです。

金光さんから貰って帰ったサカキを神棚に飾りました

 私の役目は仏壇のシキビと神棚のサカキを、不定期的に若嫁に諭されて準備をすることですが、シキビとサカキはこの時期に新芽を出すので、切って花立てに入れても水揚げが今一で、直ぐに萎れてしまうので、足繁く「もうそろそろ」と催促され、その都度シキビやサカキを自宅横の畑か人間牧場で取って来て、若嫁に渡すのです。昨日若嫁が外出先から帰る時、近くの金光さんの門前に「ご自由にどうぞ」と書かれて置いている、サカキを3束貰って帰ってきました。金光さんのサカキはどう言う訳かとても長持ちするようです。

 若嫁が前回貰ったサカキを取り換えようとすると、白い筒の中でサカキは新しい白髪のような根を出していたようで、「お父さん根が出始めているので挿し木をしたらどう」と勧めてくれました。葉っぱがついたままだと、水揚げバランスが崩れるので葉っぱを2~3枚残し、とりあえず庭の発布スチロール苗床に穴を開けて差し込んでみましたが、つくかどうかは微妙なところです。もし付けば畑の隅に植えて育てて活用したいものだと思っています。

 仏壇のシキビも神棚のサカキも萎れるとどこか気になるなど、若嫁も私たち夫婦もいつの間にか生活の一部になってきました。私たちのこうした神仏への祈りや世話する姿を、わが子どもたちは見て育ちました。同じように孫たちも無形ながら見て育ちました。手を合わせて先祖に感謝する、神仏の加護に感謝する、小さなことですがいい家庭教育環境だと思います。わが家の2人の孫は、やんちゃ盛りですが「靴を揃える」ということだけは口やかましく言って来たので、出来るようになりました。これも神仏への感謝行動だと、ささやかながら喜んでいます。

 「仏壇と 神棚世話は 若嫁と わが家しきたり 引き継ぎ実行」

 「お供えの シキビとサカキ 枯れぬよう 私の役目 忘れぬように」

 「白い筒 抜くとサカキに 根が出てる 挿し木してみる 育つといいな」

 「仏壇と 神棚暮らしの 中にある 手合わせ感謝 無形ながらも」

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