shin-1さんの日記

投稿者: | 2006年12月27日

○言うたらいけんこと

 世の中は面白いもので、「言うたらいけん」と釘を刺したことが人の口から口へと言い伝えに広がり、「言うたらいけんと言われてるが、あんただけには教えるけど、人には絶対言わないように」と、既にその人は言うたらいけんことを何のためらいもなく言いふらしているのです。特に田舎はコミュニティの人間関係が深いため、言うたらいけんことを腹持ちすることが出来ず、ついつい口から出てしまうのです。特に特に言うたらいけんことがある人の女性関係のようなゴシップ話だと、その話に尾ひれがついて最初の話とは似ても似つかぬ思わぬ話となって独り歩きするのです。

 最近ノロウイルスなる感染胃腸病が病院などで感染し大きな社会問題になっていると新聞やテレビで報じられていますが、その感染源は特定できていないにも関わらず、「牡蠣が原因かも知れない」という風評がまたたく間に日本全国に広がり、ついには牡蠣が売れないという社会現象になってしまいました。牡蠣の養殖業者にとっては正月前の鍋物の美味しいこの時期に牡蠣が売れないことは死活問題となっているのです。かつてO157が流行した時カイワレ大根が原因だと言われて風評被害となり裁判沙汰になったことは記憶に新しい風評被害でした。昨今私の元へ牡蠣がお歳暮として宅配便で届けられていますが、そんな風評被害など何処吹く風で加熱すれば十分と牡蠣の好きな息子はレモン汁をたっぷりかけて牡蠣を堪能しているのです。

 私たちの身の回りにはこの風評を撒き散らすお喋りな人、つまり口の軽い人が何人かいます。「あの人に言えばその日のうちに集落の殆どに話が広がる」と言われる人です。先日も神社の総代をしているものですから、氏神様の正月用お札を25軒ほど歩いて配りました。途中その口の軽い人に呼び止められ立ち話をしたのです。その人の口癖で「ここだけの話であなたにだけ話すのだが」と麗によって前置きされ、最もな噂話を聞かされました。私が「その話誰から聞いたん」と情報源の真意をただすと「みんなが言いよる」とぼかすのです。私が「みんなって誰と誰」と話しに食い込むと、「まあこの話は私に聞いたとは絶対言わないようにしてくれ」ととぼけて去って行きました。まあこんな調子であの人は私に話したと同じ噂話を面白おかしく広げまわっているようで、帰り道その人は待った区別の人と私と話したような立ち話をしている姿を目の当たりにしました。

 正直こんな人は信用の出来ない人です。ですからこんな人は選挙の度に上手く利用され、「あの人は通るかもしれない」という噂話を流す人として悪用されるのです。言ったらいけないことを言う人に限って、言わなければならない時に言えないものです。本当の人間の値打ちは言ってはならないことを言わず、言うべき時にはっきりと主張を述べれる人だと思うのですが、相変わらず田舎の口は広がりを見せているようです。

 私もそんな私自身の風評に驚いたことがあります。もう7年も前のことです。私は健康診断で胆嚢にポリープが見つかり入院手術をして胆嚢を取りました。癒着していたこともあってかなり病気が進行していたようでしたが、幸いなことに全て摘出して一命を取り留めました。その後順調に回復したかに見えたのですが、私の体重は最高68キロまであったのが55キロまで一気に減って、別人と思わせる体型になりました。それを見た人たちが「若松さんはガンかも知れない」と思うのは当然かもしれません。結局前述の口の軽い人たちによってまたたく間に町中にこの話が広がり、「若松さんはガンだ」と烙印を押されたのです。私がその話を知ったのは少し後からでした。ある日私がシーサイド公園の人工砂浜を掃除していると、ある人が「若松さんあんたガンじゃとなあ」と唐突に言うのです。「誰からきいたん」「みんなが言いよる」でした。しかし本人に「あんたガンじゃとなあ」はないでしょう。

 噂はつきもの、噂の標的にされるのは脇が甘いからとも言われます。まあ田舎は情報が少ないから噂話やとっぽ話を楽しむのもコミュニケーションだと思えば腹も立ちますまい。でも人を陥れるような噂話だけは慎むべきなのです。

  「ねえあんた こんな話を 知ってるか 噂話は 犬猫食わず」

  「牡蠣食うて ノロウイルスに なった人 いないはずだが 牡蠣が悪者」

  「ああ俺も 脇が甘いな ガンにされ 噂広まる あの糞親父」

  「この話 広めたいなら あの人に 頼めば直ぐに 町内広まる」

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